年収分布統計から世の中を読んでみた その1 【ホント婚活戦線は地獄だぜ】

※若干追記と、シリーズにする事にしたので連番と副題を付けました。

先日、こんな面白い記事を見つけたので、私なりにちょっと考察をしてみたいと思います。

以下緑斜体文字は引用部分です。

「結婚の条件」~0.4%の高収入男をめぐる、独身女性の戦い


まずは、野村総合研究所の調査から算出した未婚男性の年収分布図を見ていただきたい。

20~49歳までの未婚者のうち、年収 400万円未満の男性は83.9%。女性たちが理想とする500万~700万円の層でもやっと4.9%。うち30代はわずか2%である。高年収男性がさっさと結婚しているという現実以前に、若い男性の年収が一人の稼ぎで中流家庭を支えられないほど下がっているのだ。にもかかわらず、婚活は「独身女性によるわずかな高年収男性の争奪戦」という局面を迎えている。

2%って凄いな・・・確かに、親元に居た時の生活レベルで専業主婦をやりたければ500万台後半以上は無いと厳しいでしょう。 会社の同僚女性から聞いた話でも、最近の新入社員は「楽したいから専業主婦をやりたい」と本気で考えているようです。

ただし、周りを見ても、500万台以上で小遣い亭主をやりつつ専業主婦と子供を養ってもいいと思っている男性は殆ど売り切れているのが実態です。

ちなみに、↑は上場企業における年代-年収分布図。上場企業でさえ、30歳~35歳ラインで500万いくかどうかが平均という現実が読み取れます。

上場企業を含めない全体だとこんな分布、400万円台以下が8割を占めていて、300万円台が突出している事に寒気を覚えます

下の円グラフは「世帯年収」なので、共稼ぎの合計収入も含みます。それでも400万台以下の層が45%を越えています。

私の中学の同級生とこの前路上で偶然出くわして近況を聞いたら、絵に描いたようなワーキングプア状態で、昼の仕事の他にもオフィス内装工事のバイトをやって何とかだとか言っていましたし、私の会社の事務所でもよく仕事をしていると聞いて何とも切ない気分になったものですが・・・これが現実なのだと思います。

国税庁の平成21年のデーターを見ると30~34歳の男が平均427万円、女性が291万円。女性はこの後は右肩下がりに落ちて行きます。これは女性の給与を底上げしているキャリア女性が結婚などでリタイアしていくのが影響していると思われます。世代的にキャリア女性が殆どいない50歳台の年収から、おおよその女性事務職の平均は年齢に関わらず250~270万円程度と推定されます。

「昇給の見込めない仕事をいつまでも続けるくらいなら、上がる相手に養ってもらって楽に生きたい」ってのが、女性側の希望なのかなーと思わなくも無いのですが、そういえば数年前に私が肉食というか、ハンターというか、プレデター的なアタックを受けた直前に言われた台詞が「事務の仕事って凄くお給料安いの」だったなぁ・・・そうか、あれがフラグだったのかと・・・(遠い目

三十男の未婚率は前半47%+後半30%程度なので、間を取って39%として、未婚35歳で500万円以上の層の2.5%で乗算すると39%×2.5%で30台男全体の0.97%程度が未婚で500万円以上の収入があるという層に・・・つまり、25%程いる500万円以上の層のうち24%が既婚という事ですね

えーと、つまり、理想の対象として見られる男がそもそも25%しかいなくて、そのうち96%が売約済みで、残り4%強を巡っての熾烈な闘争中って事ですか・・・

何か頭が痛くなってきました。

30台前半の女性の未婚率は32%、男女が同数でこのうち三分の一が500万以上希望と仮定すると・・・30台前半同士に絞っても倍率11倍?ちなみに仮定の前提は、女性のうち専業主婦希望の方が約3割いるらしいので、そこからざっくりと試算しました。

女性側の20台や30台後半も参戦させるともっと酷い事になりそうですが・・・

となると女性側の選択肢は3つに分かれることになります。

①熾烈な競争を潜り抜け500万以上の相手で専業主婦

②400万台以下の相手で貧乏覚悟で専業主婦

③専業主婦を諦め、共稼ぎでやって行く

前述したデーターからすると①という選択肢はかなり厳しいと思うのですが、それでも①を目指すのは、何なのだろうかと思ったら、記事はこう続けて論評しています。

『「婚活」現象の社会学』(山田昌弘編著)という本にも書いたが、今、私と中央大学・山田昌弘教授が提唱した「婚活」とはほぼ逆の現象が起きている。私たちが提唱したのは結婚に対して次の2点の意識変換であった。

(1) 自分から動かないと結婚するのは難しい時代である。

(2) 夫が主に家計を受け持つ「昭和結婚」ではなく、夫婦合算年収の「男女共同参画型夫婦」を目指 さないと結婚は難しい。

結果として、(1)の意識変換は起こり、特に女性たちが積極的に婚活に取り組んだ。しかし、(2)の意識変換は起こらず、金融危機後の不況による就職活動への絶望とも相まって、若い世代ほど「専業主婦願望」が高まる結果となっている。 しかし、それを受け入れてくれる男性は少ない。先輩夫婦を見て、「妻の働きが家計のレベルを決める」と悟った男性たちは「結婚後も共働きをしてほしい」とはっきりと希望するようになった。

つまり、どんなにハウツーを駆使しても、「婚活の限界」はすでに見えている。養ってほしいという女性の数に対し、養える、養う気のある男性の数が圧倒的に不足しているのだ。結婚が増えるには、女性たち自身が「働く覚悟」と「働ける環境」を手にいれるしかないのだ。


私の経験からも

・「働き続ける気」は無し、家庭に永久就職したいと思っている。

・楽したいから養って欲しい、できれば親元での生活から生活レベルを落とさず。

・別に家事育児を完全にこなす良妻賢母をやりたい訳ではない、少なくとも育児分担は必須、家事も出来ればやってほしい。

という要望を一方的に叩きつけられた事があるので、この辺りが今時の相場なのかもしれませんが・・・


正直無謀だと思います。


はっきり言って、一番富を持ち逃げしているといわれている団塊世代に実家で養ってもらうのと同等の生活を、一番弱っている氷河期世代以降の世代に求めるのは無茶です。その問題に関しては別の回で書きたいと思いますが、統計上からも、若年層が団塊世代に食い物にされている事は揺るぎようの無い事実です。

こんな需要とニーズが全く釣り合っていない中、できちゃった婚がここ20年で倍増したのは、もしかして専業主婦という少ないパイを巡っての争奪戦の最終カードとして、女性が子供を使うようになったのではないか、と思うのは下種の勘繰り・・・であって欲しいと思いたいものです・・・

この前、電車のゼクシィの釣り広告に「ダブルハッピーウェディング(できちゃった婚の事)とか書いてあるのを見て、以前迫られた時の恐怖感や生活被害と、別の人と凄い勢いでできちゃった婚をしたと知った時の言葉には出来ない吐き気や嫌悪感が蘇ってきて、このキャッチフレーズを考えたコピーライターを呪殺してやりたい気分になったのですが、いい加減人のトラウマを抉るような現実を無視した広告代理店やマスコミのマーケティングは止めて頂きたいものです。

しかし、今後「現実は世の未婚男性の8割以上が年収300万円台以下!」なんて見出しの記事が女性誌に載るとも思えませんし、恐らく「これからは自分らしく輝き続ける愛され専業主婦の時代!」「ダブルハッピー婚で高収入イクメン攻略」「高収入草食男子ハンティングマニュアル」とか、現実の真逆を行く煽り記事だらけに・・・なりそうですね。

何故なら、女性誌は「読者の自己愛的な願望・夢を煽り、夢を売る」ための商品だからです。

余談ですが、私は女性誌の吊広告ウォッチングが大好きでして、通勤中吊広告の珍フレーズを見物しては、ほくそ笑むのが密かな趣味です。最近のヒットはドマーニの「35歳、”華麗なる貧乏”でいこう!」というユニクロとブランド物混在着こなし講座などの記事。フレーズの「35歳」「華麗」「貧乏」「いこう!」とネガティブとポジティブなフレーズを交互に入れて、ただの中年ユニクロ着こなし講座をあたかも特別にハイセンスなお洒落テクニックのように煽っている煽りテクニックに高評価をつけました。まー「真の貧乏人はユニクロに行かず、しまむらに行くわ」と心の中で突っ込みを入れていましたが。なお、今年一のヒットはananの歴女狙い記事と思われる「戦国武将SEX占い~今宵の夜伽は誰でござる」。 一回この手の女性誌を買ってみてレビューを書いてみたいのですが、流石に女性誌は買えなくて・・・

何でこんな意識の乖離が起きるのか不思議に思って原因を考えてみたのですが、恐らく「女性側の実家」が大きく影響しているのではないかと思います。

団塊世代の親と実家で同居して、価値観を親と共有し、親の生活レベルも共有しているため「何となく親と同じ人生を送れる」という根拠のない思いに捉われているのでは、というのが私の考えです。

その構図を図に簡単にまとめて見ました。

上と下で同じ世界の住人とは思えない辺り、問題の根の深さが読み取れます。

つまり、図の上半分に「親」「娘」「マスコミ」「独身女性向けマーケット(アパレル・旅行・エステ・温泉・外食など)」の大変居心地のよい閉鎖空間が出来上がってしまっていて、図の下半分と切り離されている訳です。

結婚したいと言いつつも親や未婚女性同士でしか行動していない女性は、閉鎖空間の住人同士だと考えると非常に納得がいきます。そりゃ、女性向けコンテンツがコレだけ豊富な世の中で、手持ちの小遣いが潤沢にあれば、そちらで女性同士で遊びたいと思うのは当然でしょうし。

逆に男の方は、例え年収があっても女性に安定した収入(技能を持っている事や社会的地位がある)を求めるようになってきており、両者のすれ違いはもはや悲劇を通り越して喜劇レベルに達していると言えるでしょう。

世間、特にネット上では「女性がいけない、甘い事を考えるな」といった意見がよく見られますが、私は女性が主な原因であるとは思いません。

では、この状況を生み出した元凶は誰だと言われれば、それは団塊世代だと思います

そのあたりの考察については次回の記事で。

年収分布統計から世の中を読んでみた その1 【ホント婚活戦線は地獄だぜ】” への4件のコメント

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