友愛の秘境探索ツアー その7 【治水とエコとパフォーマンス政治の愛憎三角関係】

PB020264

12:31、定刻通り列車は終点大前駅に着いた。しかし・・・本当に何も無い、笑える位何も無い

駅舎もない、改札も無い、駅前には幹線道路も店も無い、民家も殆ど見られない。数百メートル先に見える崖の上に無理やり造成したぽい住宅地が見えるが・・・それ以外に唯一あるのは駅の脇にある温泉宿が一軒のみ。

PB020263

何なの、このど僻地は?馬鹿なの?死ぬの?駅がある意味はあるの?

狭い峡谷のどん詰まりなので、線路の左右には山肌が迫っており、峡谷自体の幅も300mちょいあるかどうかといった感じである。

この狭く細長い峡谷の最果てにある集落、それが大前のようだ。

PB020266

改札は無いので、きっぷはこの箱に入れて回収される。

PB020259

右に見えるのが待合室。ちなみに電気がついていないのでかなり薄暗かった。

PB020261

待合室の中はとにかく暗い、そして寒い。ご丁寧にベンチには座布団が敷いてあるが、そんな心配りはどうでもいいから明かりと暖房をくれ

時刻表で帰りの電車を確認してから周囲を散策して昼飯でも取るかと思ったのだが・・・

何だよ・・・このファンキーな時刻表は・・・

えーと次の列車は・・・ってオイ 今乗ってきた列車の折返し運転を逃したら、この寒空の下、17:16までこのど僻地に取り残されるのかよ。ふざけているのかコラ。

この窮地に脳内仲達が孔明が孔明がと喚いて何やら青ざめております。

ええ、見事に瞼ど僻地に誘い込まれましたよ。しかも危うく退路を絶たれそうになったし

言われなくても引き揚げるわい。

という事で即行帰りの切符を車掌から買って電車に乗り込んで電車の発車を待つ事に。

PB020265

いやぁ僅か22分だったけど、いい観光だった。

何も見ていないような気がするけど、多分いい観光地だ。是非とも皆様も一度大前にいらしてください。

だって金と時間を浪費してこんな寒くて無駄な思いをしただけなんて悔しいだけじゃない。せっかくだからみんなも道連れにしてやらないと。

さて、帰るぞ。

PB020002

ま、車窓からの風景は紅葉の山を楽しめて全般的に良かったので負け惜しみ的に吾妻線に乗るのは観光としてはいいのではないかと思う。

[videopop vid=”1260482038″ vtitle=”車窓からの橋”]

かくして川原湯温泉駅に舞い戻り、吾妻線と別れを告げる。

[videopop vid=”1260485924″ vtitle=”さらば吾妻線”]


車に戻って下流方向へ移動。

ここは当初ダムに沈む予定だったのを、地元住民の圧力で沈まない事になったという景勝地らしい。

エコっぽいダム建設反対団体の主張では、ダムができれば川の氾濫が起きなくなる事によって渓流を構成する岩がコケに覆われて景観が大きく損なわれるそうだが・・・

上からは目一杯カメラでズームしても岩なんぞ見えねーよ

もう一つ言っておくと渓谷に降りる階段は施錠されており、一般人は降りられないので(もし降りても道などが整備されていないので非常に危険)、下の方の景観云々は論ずる意味は殆ど無いと思う。

つかコケがあろうが無かろうが大して景観に影響しない事を、この周辺を歩き回って確信。

この一帯は枝葉が茂っていて川面なんぞ上からは見えないのは少し歩き回れば分かるはずなのに・・・

つか、地元民以外の部外者で構成される反対団体の皆様が現地をろくに歩き回っていないor現実を意図的に無視している事がよーく分かった。

そして、地元民の方々がこの景勝地をダムに沈めることを反対し、ここが沈まない事で妥協した理由も良く分かりました。

そもそも、土砂がダムに溜まって河川を流れる土砂が減って下流の海岸が侵食されるとか、ダムに藻が繁殖して景観を損なうとか、生態系への影響だの最近のダム技術やこの川の実態を無視した主張を繰り返している辺り、この手の団体の主張はどうもダム建設反対ありきで、あれこれ理由を粗捜ししているようにしか見えない。(土砂抜き技術や藻の繁殖を抑えるフラッシュ放水技術や元々生物の住めない川であったという実態を無視している点からしても、科学技術的にアレな主張が多い)。

まぁつまる所、緑豆海狂犬みたいな連中のお仲間にしか過ぎないって事なのだろうか。

このエコな団体の方々は、「ダムの代わりに植林による保水効果の向上(通称緑のダム)や堤防の強化や川底の掘削で川を深くすればいい。だから無駄なダムの建設反対」と言っているようだが、それらの方法を調べた限り、現実はそんな簡単ではないようだ。

まずは川底を掘る方法だが、これは問題が大いにある。

・流域全体の広大な面積を掘り下げないといけない。

・半端ない量の掘削した土砂が生じるため、土砂の処分に膨大なコストがかかる。。

・川が深くなる分、川に架かっている全ての橋の橋脚を延長・強化しないといけないため、膨大な量の工事が発生する。

・下手に部分的に掘ると未掘削の地域の氾濫被害の集中や土砂の集中的な堆積を引き起こす危険性がある。スライド1

という事で、流域全体に手を入れるとなると恐ろしい手間とコストがかかることが分かると思う。

じゃあ、堤防を高くすればいいじゃないという話になるのだろうが・・・これもまた難しい。

・堤防を高くする=堤防の厚みを増さないと強度を保てない

・流域全般の補強工事をした箇所のみ効果が出る

・堤防の厚みを増す=流域の用地買収が必要になる

・下流地域の用地買収にはダムよりも遥かに膨大な資金が必要になる(数兆円単位)

・全部の橋を架け替える必要があるので、これも膨大なコストと手間がかかる


スライド2



スライド3

ならば最近民主党が喚いている「緑のダム」はどうか?

これは戦後植林した杉・ヒノキの針葉樹林を伐採してブナナラなどの雑木林に戻し、山の保水性を高めて治水をしようという案であり、一見良さそうな案に見える。が、これもそんなに万能なやり方ではない。

・山の保水能力は巨大なスポンジにシャワーで水を振りかけて吸わせるのと同じであり、山に水を吸わせるには時間がかかる。なので小雨は効率的に吸えるが豪雨に見舞われると山の表層部がすぐに飽和状態となって水をなかなか吸わなくなる。

・飽和状態になった表面に豪雨が降り続けると、水は表面を流れて川に流れ込んでしまう。さらにこの状態が続くと表面が土砂崩れを起こし、大量の土砂も川に流入する。つまり、長雨には有効でも豪雨には無力であると言える。

・ダムと違い、水門のような調整機構を持たないため、人間の都合に合わせた制御ができない。

・保水能力が地質や断層などの色々な条件によって左右されるため、定量的にどの程度の治水効果があるかを算出しづらい

・そもそも雑木林の治水効果がそれほど高ければ、昔の日本で氾濫や水害が頻発していたことの説明ができない。

・針葉樹林についても、今後の新興国を中心とした木材需要の増加や環境保護の点からの木材の輸出規制の流れの中で、国産木材のニーズが高まる可能性は十分あり、雑木林に戻すべきかどうかは総合的な視点から十分な検討が必要である。

まー調べて分かったのは、どの方法にしても一長一短で完全な治水方式というのは無くて、色々な方法を組み合わせてお互いの弱点を補完して初めて治水というのは成り立つという事であって、ダムにしろ堤防にしろ緑のダムにしろそれらの要素の一つにしか過ぎないということである。

特に日本は以下のようなややこしい利害関係や治水のリスクや水需要の事情が重なり合っており、簡単に「ダム建設をやめよう」で全てが良くなる訳ではないと思う。

・日本の治水というのは土地が山がちで河川は急流で地盤がもろく、世界的に見てもかなり特殊かつ難易度が高い環境のため、様々な治水技術を組み合わせて水害のリスクを低減せざるを得ない。

・利水というのは山奥のど僻地では貴重な産業である。なぜなら国の不動産であるダムの固定資産税が地方自治体の貴重な税収になるためである。

・関東の水源は多摩地方が地盤沈下や水質汚濁のリスクの有る地下水の利用で凌いでいる状況を見ると十分とは言い切れない状況である。関東の「水余り」に対する指摘も、水需要が伸び悩んでいるように見える理由に「工場などの節水の徹底」「水道管からの水漏れの撲滅」がある事を考慮していない。

・このため、節水と水漏れ撲滅が飽和点に達すれば再び水需要が伸びだす可能性は十分にある。

・日本の川が多く流れ込む平野の下流地域は工業地帯&人口密集地帯であり、水害が発生した際の被害額とリスクがとてつもなく大きい

古来の日本においては、川の流れが氾濫によって頻繁に変わり、木や土砂で自然生成された堰の決壊による鉄砲水と呼ばれる急激な洪水で流域一帯の農村が壊滅的な被害を蒙っていた。さらに川の流れの変化と激しい川の流量の変化+水を大量に消費する水田という組み合わせのため、取水をめぐって村同士で殺し合いにまで発展するということがあった。近年においても、利水を巡っての紛争は起き続けており(信濃川のJRの発電所の不正取水事件など)決して利水問題は過去の問題ではない上に、水害は全国で毎年数千億円~数兆円の被害をもたらしており、感情論以前に費用対効果という物を考えないといけないのではないだろうか。

その点を考えると八ツ場ダムは工事を止めるのはあまりにも微妙なダムという気がしてならない。10年・・・・せめて10年早ければ止めるメリットもまだあったのだろうけど、ここまで資金を使ってしまった段階で止めて戻ってくる資金と失う物のバランスがどうにも悪いようにしか見えない。(一帯のゴーストタウン化、地元の地方自治体の財務への悪影響、今後流域で水害が発生した場合の責任問題などなど)

どっちにしろ、このダムの中止は民主党のパフォーマンス・・・と左巻きなエコテロリストの「俺、権力と戦ってカッコイイー」の自己満足の集大成なんだろうなぁ・・・

という事を考えさせられるダム見学ツアーでありました。

最終日はおまけみたいな物だけど、谷川岳方面で色々珍しいものを見てきたのでそれの報告を~


(蛇足その1)結局吾妻線を降りた後にとった遅めの昼食

下流方向にある蕎麦屋「もみぢ茶屋」で、はるか遠くの山肌で作業をしている重機を眺めつつ遅めの昼食をとる。

結構派手に山腹で護岸工事を行っている。

蕎麦は細めでコシがあって結構いい蕎麦でした。

そば粉と上新粉で練った小さな饅頭も美味かったです。

そういや、今年は長雨で蕎麦が大凶作らしいので、来年は美味しい蕎麦を食べるのは難しそうですねー。

(蛇足その2)

八ツ場ダムの工事費用は4600億円。

そして小沢一郎の地元の胆沢ダム(通称「小沢ダム」)の工事費は2440億円、しかも西松建設の汚職付きのダム。

鳩山政権の途上国支援のばら撒きのうち、アフガニスタン枠で八ツ場ダムIMFの融資枠で胆沢ダムが作れると考えると、きちんと公正に活用される可能性のかなり低いアフガニスタン支援枠よりはましな事業に思えて・・・

(-_-;)友愛されそうだからこの辺りにしておこっと。


民主風刺8

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)