八丈島~青ヶ島 最果ての秘境ツアー その6【お一人様七千万円より】


スライド1

港に行く前に前回孔明にハメられたルートと島内の地形について地図で簡単に説明を。

集落から内輪山には北の端にある平成流し坂トンネルから降りてきて入る。島唯一の港である三宝港は内輪山の南西部にある青宝トンネルを抜けて行ける。道が平常状態なら、北から降りてそのまま南にまっすぐ南下して青宝トンネルに入るというシンプルなコースを取る事になる。

前回ハメられたのは、通行止めになっているのを知らずに南下してしまい、赤点線に示されている網目のように細い道が走っている畑地帯に誘い込まれたためである。

この島は外側は断崖絶壁の天然の城壁、内側はよそ者には理解不能な迷宮と、まさに水塞というか梁山泊のような天然の要害であり、よそ者が船で近づいたら銅鑼が鳴り響いて石を落とされたり弓を射掛けられ、決死隊が夜中に潜入しても迷路に引き込まれて迷った挙句落とし穴などの罠に引っかかって死亡とか普通にやれそうだ

梁山泊

村長さん、島のキャッチコピーは「木っ端官軍どもめ!この水塞を落とせるものなら落としてみろ!」とかいかがでしょうか?

これは迷っている最中に撮った平成流し坂トンネルの写真。平成流し坂トンネルはその名の通り、平成の世になってまだ間もない平成四年に、六年の歳月と14億円の費用をかけて竣工したトンネルであり、これができたお陰で、山の頂上を越えて集落と内輪部を行き来する労苦が大分軽減されたらしい。

青ヶ島滞在二日目にここを通った時、島の爺様が、このトンネルを電動スクーターでのろーっと走っていたが・・・帰りはあの殺意満点の坂をこれで登る気なんだろうか。もしや帰りはヒッチハイク狙い・・・なのか・・・?ここいらで東京者の想像を超えた島内環境と島民の皆様方の行動に軽い混乱を生じて来る・・・

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また、島内の道路の舗装は全部コンクリなので結構ガタガタ車が揺れる。何でも石油のタール成分であるアスファルトと砂利を混合するアスファルトコンクリートプラント設備が無いので、コンクリなんだとか。

このように硬いコンクリ道路なので、タイヤの磨耗がしょーもなく激しいらしい。アップダウンの激しさと道の狭さと相まって、車にとっては本当に優しくない環境である。パトカーをはじめ、型落ちのジムニーが結構走っている訳が良く分かった。

という事で今度こそ港に向かう事にする。

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Q.さて、この映像は何を写したものでしょう?

A.自衛隊の要塞?

不正解

A.サンダーバードの秘密基地?

不正解

A.何かの前衛建築アート?

不正解

A.巨大なワッフルメーカー ギネスに挑戦中

大不正解 罰として青ヶ島に島流し



正解は青ヶ島唯一の港「三宝港」から外輪山方面を写した映像。

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セヴァストポリ要塞や旅順要塞なんて目じゃないぜ!という位威圧感のあるこのコンクリ壁とその下にあるシェルターのような漁船係留場やごっつい重機の数々、どう見ても要塞。他に何に見えるって言うんだ。下から砲台やミサイルランチャーがせり出したり、ハッチが開いてロケットが火を噴いて飛んで行っても全く違和感が無いと思うのは自分だけであろうか

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三宝港

漁船はそこらに係留すると嵐で即海の藻屑となるか、どこかへ吹き飛ばされるので、こんなゴンドラのような専用クレーンで、上部の係留所というか駐船場とでも言うべき場所に吊り上げられ、がっちり固定されるという仕組みになっている。

男の子なら見ているだけでワクワクするようなギミックの数々、何だか子供向けのミニカー立体駐車場やサンダーバード基地をリアルスケールにしたような現実離れした光景が目の前に展開しているのには、もう呆れて笑うしかない

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しかもサンダーバード島なんぞより青ヶ島の方が天然レベルで100倍以上は凶悪そうな地形なのがたまらない。

また、港内では何やら港の海底で作業をしている潜水夫と地上と無線で交信しているのがスピーカーで垂れ流しになっており(恐らく海中クレーンとの共同作業や危険作業を色々やっているので、安全対策として流している物と思われる)

「ゴボゴボゴボ シュー %@”$#”$#&ですかー シュー ゴボゴボ」

といった具合の内容不明の通話がずーっと流れており、あまりに現実離れしたシュールな光景と相まって、悪い夢でも見ているような気分に陥ってくる

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島側に目をやると遥か高所に日本中から集められた鳶職人や護岸工事のプロがものすごい所で港の裏手の斜面のメンテを行っている。ここは崩れやすい火山灰質の急斜面激しい風雨に晒されまくるという最悪の条件が揃った日本でも屈指の高難易度の工事現場なので、各方面のプロを結集し、日本の誇る土木技術の粋をつくして港の維持整備を行っているらしい。もはや離島助成とかそんな大義名分は誰の頭の中から消し飛んでおり、「極所における土木工事の先端実験場」と化しているのが実態のようだ。

つまり、ここの工事は目的より手段の方が崇高で価値がある状態になっている訳であり、「手段のためには目的を選ばない」とでも言うべき本末転倒のイカレた状態になってしまっていると言えるだろう。

ここでの二日目の昼食時に宿に戻った時の話であるが、港の工事を請け負っているらしき建設会社の一団が食事をとっており、横で外輪山のがけ崩れを起こした箇所の対処についての話をしていた。

見た目は真っ黒に日焼けした金髪ピアスのガテン系兄ちゃんが他の業者がやっている大規模な工事の手法について持論を展開して「こうこうこういう方法でもっと小規模な工事で済ませられたのでは」と言い、それに対し親方と思われる五十がらみのおやっさんが、寡黙に若手の話を頷きながら聞いた後「その方法はありだと思うが、相当な事前準備が前提だろう?」と反論して熱い議論になっていた。

やはり、この島は土木作業のスペシャリストの集う島であるようだ。

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なお、このコンクリ要塞三宝港を作るのに要した資金は、何と120億円

東京都民の人口が1200万人ちょいだから、一人1000円ほどの負担であるので、東京都民全員に吉野家の牛丼大盛り2杯を振舞える程の金だと言えば・・・分かるだろうか?

ちなみに、青ヶ島村の人口は170人程度なので、村民一人当たりの港のコストは約7000万円島民一人一人全員にフェラーリの新車を3台支給するのとほぼ同額の税金が突っ込まれているという現実に思わず目頭が熱くなってくる

しかもこれは港の建設費用だけでだ・・・

という事で日本国政府や東京都に税金を払っている人なら涙無しには見られない(笑)青宝トンネル~三宝港新埠頭のドライブ映像をお届けする。

[videopop vid=”1254918370″ vtitle=”青宝トンネル”]

見ての通り、青宝トンネルは一車線の狭ーいトンネルなので、対向車が来たら避けられない、そのくせ工事用車両が港からバンバン走ってくる。初日にトンネルに入ったところ、トンネルの向こうからダンプが走ってきて、どうやってもすれ違えそうに無いので途中で諦めて100m近くバックして外に出てやり過ごしたが、どうやら、この島のローカル交通ルールでは島内は工事用車両優先らしい。

工事用車両は島内のインフラ整備や回復維持に重要な役目を果たしているというのが理由の一つであるみたいだが、それ以上にダンプとかミキサー車とかブルトーザーなどの大型車両とすれ違うなら、小さい方の一般車両が退避スペースまで下がった方が合理的であるというのが大きな理由なのだろうと思う。

トンネルを抜けた後のゴージャスな橋は青翔橋という橋で、頻繁に起きるがけ崩れで三宝港への道が寸断される事に青ヶ島島民が業を煮やしていたことに対して「だったら崖から離れた所に磯を土台に橋を強引に架ければがけ崩れの影響を受けないでしょ」という「パンが無ければお菓子を食べ(略)」程度の理屈で作られたらしいとか。

文明的な生活を送れるようにするために色々な意味で無茶しまくりで、酸素マスクと栄養チューブとペースメーカーと透析装置を付けて、何とか外に出歩けるという状態の病人みたいな島の実態をこの港が象徴しているようだった。

この港より無茶して港湾設備の機能を維持している場所というのは世界広しと言えども多分無いのではないだろうか?

もしそんな愉快な所があったら教えてください。身銭切ってでも取材に行きます!

次回はようやく今回の旅の当初の主目的であったらしい釣りの結果についてレポートを。

どこまで続くのやら、このシリーズ・・・ :cry:

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