「銀行は金貸さないで何を商売するのか」「手数料だけで生きているのではなくリスクも」「企業は法人税下げろと言って、下げたら内部留保を増やすのか」

麻生太郎財務相兼金融担当相は4日、東京都内で開かれた全国銀行協会や信託協会で相次いで挨拶し、金融機関をはじめとする企業の姿勢を大いに批判した。新年早々に飛び出した“麻生節”の詳細は以下の通り。

「今一番の問題は、銀行が金を貸さなくて何を商売するんですかという話だ。皆さんのところに届いているかどうかは知りませんが、私どもは地元を歩いているとそういう声をよく聞くようになっている。少なくとも目利きがいなくなっているんじゃないか」

→銀行の行動原理が「どうやってお金を回して産業を育成するか」から「どれだけ社会に迷惑をかけようが絶対に元本利息を回収してやる」に目的が入れ替わっていますからね。バブル以降の不良債権処理を通じて銀行が機能しなくなっているのが問題の根源かと。今の銀行はまさに「ベニスの商人」ですし。

 「われわれもいろんな言葉でしつこく言っているんですが、企業も稼ぎながら内部留保をためている。デフレの時代はモノの値段が下がるから、持っていればカネの値打ちがあがるんだけど、今は違うんだから。その金を設備投資に回すか、賃金を上げるか、何かしてもらわないと、そのまま内部留保が増えるだけ増える」

→企業も投資を徹底的に回避していますからね。理由は「責任を取りたくない」という茶坊主上がりの連中が頭を取り仕切っているからです。

なんのために、そして『税金は安くしてくれ』と言う。法人税を下げて、その税金をどこに使うんですか。また内部留保ですか。そういった話は金融の方もぜひパートナーとして、企業との間でコミュニケーションをさらに良くしてもらうということが大事なので、コーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)だとか、スチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)だとか、いろんな話をやらせていただいてます。これを単に口で言うだけでなく、実行に移していかなければならないと金融庁としても考えているというのが正直なところ。私どもとして、手数料だけで生きているのではなくて、リスクを取ってやるというところに銀行の目が向かないと、企業というのはなかなかうまくいかない

→これも経営者が株主総会やIR情報で良い数値を出す事しか考えていないからです。

「企業の収益は最高を記録しておりまして、その稼いだカネがどこに行っているか。通常ですと配当か賃金か、設備投資の3つに回るのが基本ですが、3年間で総額75兆円の内部留保がたまって、給与に回ったのが3兆円。これだけ設備が老朽化していて、金利がただ同然の時代にどうして進まないのか知りませんが設備投資が8兆円。残りはじーっと持っておられる。何のために。私どものとこに来られて『税金を下げてほしい』と言われる。下げてどうするんですか、また内部留保を増やすんですか」

→これは固定資産の管理や税制が複雑過ぎるのも原因かと思いますぜ。あとクソ高い電力料金や環境投資などのコスト上積みも腰が重くなる原因でしょう。

「『おかしい』と思って新聞記者がどうしてたたかないのかね。おれは知りたいよ。(企業に)直接聞くと、『いやデフレが』と言い訳だけはちゃんと練習しておられる。しもべにはそう見えるな。そこのところはもう1回考えてみないといけないのではないんじゃないですかね」

→この話を読んで聖書の「タラントのたとえ」を思い出しました。

「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、しもべたちを呼んで、自分の財産を預けた。

それぞれの力に応じて、一人には五タラントン、一人には二タラントン、もう一人には一タラントンを預けて旅に出かけた。

早速、五タラントン預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントンをもうけた。

同じように、二タラントン預かった者も、ほかに二タラントンをもうけた。

しかし、一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。

さて、かなり日がたってから、しもべたちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。

まず、五タラントン預かった者が進み出て、ほかの五タラントンを差し出して言った。『御主様、五タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントンもうけました。』

主人は言った。『忠実な良いしもべだ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』

次に、二タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、二タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに二タラントンもうけました。』

主人は言った。『忠実な良いしもべだ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』

ところで、一タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』

主人は答えた。『怠け者の悪いしもべだ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。

それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。

さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラントン持っている者に与えよ。

だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。この役に立たないしもべを外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』」
(マタイ福音書二十五章より)

今の企業トップって、こうしてみると見事なほど「愚かなしもべ」ですね。賢者は熟考の上、破綻しない範囲でリスクを取って投資しますし、愚者は普通預金に入れて手数料をむしり取られる。

中学生時代にこの例えを読んで意味がわかりませんでしたが、今となってみると良く解ります。さすがユダヤ人の宗教だけあるなと。 :-)

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