【書評】レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ(1)

さて、今回は読むのも精神的にキツい「レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ」をレビューしていきたいと思います。

八巻で伊吹が総括中に意識混濁の中「すいとんすいとん」とツィードした事が発端で受けた凄惨なリンチの末殺されたところから本巻は始まります。

現在の総括対象者のステータスは以下の通り

伊吹  :リンチの末、死亡     
薬師  :リンチされた上、屋外緊縛プレイ
黒部(一):リンチされた上、屋外緊縛プレイ
高千穂 :総括中
天城  :総括中
磐梯  :総括中
神山  :総括中
岩木  :総括中

かくして薬師と黒部一郎は屋外で緊縛プレイされていました。

横でシュラフに包まっているのは、監視役の霧島です。

しっかし無茶苦茶寒そうです :-o

一方で他のメンバーは、伊吹を捨てるために凍った土を掘り返して、証拠隠滅のために衣服をひん剥いて埋めていました。

で、会議で北オヤジは伊吹の死亡原因を「本気で革命戦士になる精神力が足りなかった」と結論付けるというキチ理論を展開します。

で、次のターゲットを探しにかかる北親父。ロックオンされたのは

高千穂でした。

問題を色々巻き起こした九重を引き入れた責任やら、元が遊び人のヒッピーであった点や革命に対する姿勢を厳しく尋問される高千穂。

過去の活動について語る高千穂、それに対してブチ切れる北オヤジ。

ならば、殴って総括してくれと懇願する高千穂に鬼の形相でリンチ死刑執行開始宣言。

北オヤジのパワハラ尋問と真っ赤な狂気に作品が飲み込まれていき、読んでいて胃が痛くなってきます :cry:

完全にイッちゃっている人の目です、これ。

高千穂の「これが総括か?こんなのが総括なのか?」「何のためにこんなことされるのか!!」という悲痛な正論真っ赤な殺意の波動に飲み込まれ・・・

総括完了、高千穂、死亡です。

そしてまたリンチ死したメンバーを「敗北死」と位置づけ貶めた挙句、根性論を持ち出す北オヤジ、気力さえ有ればどんな暴力を受けても死なないとか、お前は帝国陸軍の不死身の鬼軍曹(以前紹介した帝国陸軍の和製ターミネーターこと舩坂 弘軍曹)か。

なお、アンサイクロペディアの舩坂 弘軍曹の記事がルーデル閣下程ではないにせよ大体あっているのが笑えますが。

擲弾筒および臼砲にて米兵を200人以上殺傷。
米兵から鹵獲した短機関銃でも数人斃し、左足と両腕を損傷した状態で、銃剣で一人刺殺し 短機関銃を手にしていたもう一人に投げて顎部に突き刺して殺す。
股、腹、腕の三箇所を大破させながらも敵将に一矢報いんと手榴弾6発、拳銃1挺にて米軍指揮所テント群に数夜をかけて潜入。前哨陣地を光学迷彩を駆使し突破して単身突入するも頸部を撃たれて機能停止。
3日後、自己修復機能により米軍野戦病院で再起動。この時点で舩坂が異能生存体であることが伺える。捕虜収容所に潜入し戦闘を続行。当初舩坂軍曹は鹵獲されたと勘違い(米軍は舩坂軍曹の正体に気付けなかった)し、機密保全のため周囲の医療器具を叩き壊し、急いで駆けつけたMPの銃口に自分の身体を押し付け 「撃て!殺せ!早く殺すんだ!」と暴れ回った。
捕虜容所から脱け出し近くに倒れていた皇軍兵士の遺体より形見分けで弾薬ポーチ内の小銃弾を失敬、分解して得た小銃弾用火薬を用いて米軍弾薬倉庫の爆破を成功させた。
(爆破後は元来た道を辿って収容所に戻り、何くわぬ顔で翌朝の点呼に参加している。このため、大々的な捜査にも関わらず最後まで弾薬庫が吹き飛んだ原因は判明せず、米軍記録には”原因不明の爆発”による損失としか記されてはいない)

そして、床下で柱に縛り上げていた薬師の容態が急に悪化、大慌てで心臓マッサージを施しますが、時既に時間切れ。

緊縛は下手にやると麻痺や心臓発作や血栓(エコノミー症候群)を起こすので大変危険なのですが、そんな知識も何もない彼らはとんでもない事を言い出します。

蘇生すれば総括できる

死因は「死の恐怖に負けた」

あまりの悲惨な内ゲバに古参の霧島が苦言を申し立てますが

それに対し「精神と肉体の高次な結合」という意味不明な論理を持ち出す北オヤジ。常人なら肉体と精神は結合して活動していますが。

確かに彼らは精神だけ真っ赤な狂気の世界に飛び立っているような気がしますし、それが肉体と融合したら無敵になれるかもしれません。ムジャヒディン(イスラム聖戦士)的な意味で。

さらに北オヤジの謎理論が展開されます。

「死ぬことを恐れるな、英雄的な気概で乗り切れ」「恐怖に負けたら敗北」などなど、「それって只の精神論だろ」という突っ込みを入れたくなります。

ここで岩木と神山が合流、岩木はふざけて場を和ませようとしますが、三人が惨殺された直後とあり、非常に場の空気が悪く皆沈黙のまま迎え入れます。

そして次のリンチのターゲットは天城へロックオンされます。

私が考えた模範解答(共産ゲリラの戦法を参考に考案)

「まずベース周辺を開墾してアヘンや大麻の生産にいそしむ、次に近所の村から子供をさらってきてシャブや麻薬漬けにして洗脳、人質として食料や金を村から巻き上げる。そして子供に爆弾を巻きつけさせて、警察署に突入させてポチッとさせて、避難しようと出てきた警官を猟銃で撃ち殺しまくって拳銃などの武器を奪う。さらにトランシーバーを改造したIED(即席爆発装置)を逃走路上に仕掛け、追ってきたパトカーや機動隊のバスを吹っ飛ばす。一帯の治安を世紀末モードにまで落とした上で、周辺の村落の保護を名目に一帯を占拠、警察権と納税権と行政権を奪取した上で、自衛隊が出てくるまでの間目一杯勢力を拡大。あとはシャブ漬け少年兵の自爆攻撃と自己鍛造弾を組み込んだIEDで自衛隊と非対称戦を展開し、グダグダな泥沼内戦状況を作り上げる。国内が厭戦気分になったら政権への参加と恩赦を条件に停戦交渉をする。」

駄目?

駄目だそうです :oops:

天城もリンチから逃れようと必死に逃げる術を探しますが、とりあえず総括のために命じられたのは薬師の死体処理。墓掘りがどうやったら総括につながるのかは不明ですが、北のオヤジが言うならそうなのだろうと天城は墓掘りを始めます。

みんなあたまおかしい :cry:

安達の命令で赤色連盟名物「死体殴り」に勤しむ皆さん。

みんなあたまおかしい

内ゲバリンチ殺人を差し置いて死体殴りをあれこれ言うって、問題提起の優先度が完全に間違っています。一般市民から見たらどっちも只の重犯罪でアウトですけどね

そして天城は墓掘りについての総括を求められ。

何が何でも死にたくない天城の必死の言い逃れに対して芝居だの難癖をつけて叩き落とす北オヤジ。本当この辺りから北オヤジの鬼畜ぶりがとんでもなく加速していきます。

ついには総括を求められている面子同士の仲間割れが発生。天城を糾弾して先に総括送りにして当座の身の安全を確保しようとする磐梯。もう人間関係が崩壊して滅茶苦茶です。

うわぁ・・・これは・・・きつい・・・絵面から天城の恐怖がひしひしと伝わってきます。

北オヤジの狂気は更に加速し、自分を殴ることを天城に要求します。

女の子に酷い暴力が振るわれているシーンは見ていて本当心が痛くなります。

北オヤジが鬼畜外道過ぎで、この辺りから「この鬼畜野郎はとっとと地獄へ落ちろ」と思うようになってきます。まあ実際、彼は地獄に落ちたのでしょうが、これだけの残虐非道な事をやった挙句、彼の死に様があまりにも情けなかった事を考えると、殺されたメンバーが報われません。

そしてボコボコになった天城に鏡を突きつけて「ざまあ」する赤城。コイツも地獄に落ちていいです。

かくして天城もリンチ惨殺コースに乗った所で1巻は終わりです。

読むだけでも恐ろしく精神力を消耗する1巻ですが、2巻からは「処刑」が始まり、北と赤城コンビが更なる残虐非道の限りを尽くす事となります。

(つづく)

【書評】レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ(1)” への4件のコメント

  1. ヤバイっすね…
    心胆寒からしめる狂気を感じました。
    極左暴力集団と定義付けられたのも納得です。
    最近の末裔もそろそろ同じような事をしでかしそうで怖いです。

    • 要点だけ拾ってもこのボリュームなので、全編通して読むとかなり鬱になること請け合いですよ。

      最近暴れている連中は関連性も調査したのですが、直接的な関連性は無さそうですね。ただ、発生要因や方向性はほぼ同一という印象は持っています。

  2. (しゃもさんのお陰で)こうやって抜粋を読むだけでも精神どころかSAN値までもどえらく消耗して行くのが実感出来るのですから、これを描いた山本直樹さんは間違いなく深淵と言うか地獄の淵を覗いてしまったでしょうなあ…。

    • 4巻で(処刑)ナンバリングが消えると予告に買いてありました。
      特に最後の方はWikiで読んでも寒気がするくらいの狂気ですね。
      それをどう表現するかは非常に興味深いものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)