【VW匠の技】似非クリーンディーゼル技術の極みを検証してみた

巷で大騒ぎになっているこの一件ですが、元ネタとなった論文を引っ張ってきてみて中身を見てみたところ、思ったよりも深刻そうな内容であったため、レビューさせて頂きます。

vw

独VW、排ガス不正で特損8700億円計上 対象1100万台

2015/9/22 20:30

【フランクフルト=加藤貴行】欧州の製造業を代表する企業である独フォルクスワーゲン(VW)の経営が、米国での排ガス試験の不正問題で大きく揺さぶられている。米当局は最大で約2兆円の制裁金を科すことを検討しているもよう。対象車両は世界で1100万台に上る可能性があり、VWは22日、対策費用として65億ユーロ(約8700億円)を特別損失に計上すると発表した。トヨタ自動車と世界首位を争うVWのブランドイメージにも打撃となりそうだ。

VWによると、VWグループのディーゼルエンジン「EA189」を搭載した車両で、排ガスの試験の結果と実際の走行時の排ガス量のデータが異なるという。このエンジンを搭載した車両は全世界で1100万台が販売されている。

VWは試験時のデータを正しく示すようにソフトウエアの書き換えなど技術的な対応を開始した。ドイツの運輸行政を担う独自動車局(KBA)など関連当局とも協議を始めた。欧州連合(EU)の最新の窒素酸化物(NOx)などの排ガス規制「ユーロ6」に対応した車種には不正はなかったという。

VWはサービス面での対応など関連費用として2015年7~9月期に65億ユーロを計上する。巨額損失により7~9月期は最終損益が赤字に転落する公算が大きい。15年12月期通期でも、108億4700万ユーロの純利益を実現した前の期に比べ大幅な業績悪化が避けられない。

米国以外でもVWのディーゼル車の調査を始める動きが広がる。独環境省が調査を始める方針を示したほか、韓国の環境省も22日、VWの「ゴルフ」「ジェッタ」「ビートル」と傘下アウディの「A3」を対象に10月初旬に検査を始めることを明らかにした。韓国はディーゼル車の排ガス基準を欧州連合(EU)と同様に設定している。

韓国の輸入車市場でVWグループのシェアは約3割と最も多く、現代自動車など韓国車のシェアを侵食してきた。

VWは1~6月期の世界販売台数が504万台と、トヨタを抜いて上半期で初の首位に立った。各国で同様に調査の動きが広がれば、イメージが悪化し販売に影響する可能性がある。

ディーゼル車は燃費のよさが特徴で、欧州の新車販売の約半分のシェアを占める。VWはじめ欧州の自動車メーカーが強い分野だ。欧州各社はNOxなどの排出を抑えながら、日本や米国などガソリン車が強い市場でも「クリーンディーゼル」の優位性を訴え、徐々に消費者の間に浸透してきた。

今回の問題は他社にも波及する可能性がある。米メディアによると、米環境保護局(EPA)は独BMWや独ダイムラーや、米国車などにも調査対象を広げることを検討しているという。また、ガブリエル独副首相兼経済相は21日、「ドイツの自動車産業、とりわけVWの優れた評判が傷つくことを心配している」と述べ、独産業界の象徴である企業の問題が拡大、長期化しかねないことに懸念を表明した。

VWにとってはタイミングも最悪だ。シェア首位の中国での販売減が響き、8月まで5カ月連続で世界販売が前年実績を割り込む。コスト削減など課題が山積のなかで、さらに大きな課題を背負った。

またVWでは今年4月、フェルディナント・ピエヒ氏が社内の権力闘争で監査役会長を退任した。暫定的な体制を続けてきたが、9月下旬にマルティン・ヴィンターコーン社長の18年末までの任期延長と、ハンス・ディーター・ペッチュ最高財務責任者(CFO)の会長就任を正式に決める予定だ。新体制はいきなり荒波からスタートすることになる。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM22H5Y_S5A920C1FF2000/

で、この問題の元ネタとなった論文がコレ。

In-Use Emissions Testing of Light-Duty Diesel Vehicles in the United States

Prepared by:Principal Investigator Dr. Gregory J. Thompson (Principal Investigator)

著作はウエストバージニア大学の主任研究員、グレゴリー・J・トンプソン博士。

簡単に言うと「ダウンサイズ(クリーン)ディーゼル車の実排気ガスの調査に関する研究」といった内容です。

vw01

実際に公道を走りながらNOXやPM(PM2.5のような微粒子)を測定するのはかなり困難な上、ラッシュ時間帯と閑散期では異なる挙動が予測されるため、様々な条件下で各100回ものサンプルを稼ぐ必要があった模様です。

実際にはマフラーに↑のような禍々しい配管を装着し、PPS(荷電微粒子測定装置)やNOXの車載測定器などと接続して計測を行ったようです。ちなみに車載型排ガス計測システム は日本の堀場製作所製OBS-2200を使用したとの事です。

測定に用いた車種は3種、A,B,Cと名づけていますが、Aのみが排ガス浄化装置がLNT(NOx吸蔵還元型触媒)。B,CはSCR(尿素SCRシステム)との事です。恐らくAはコンパクトカークラス、BCは中~大型乗用車クラスと推測されます。

(追記)コメントで頂いた情報より

A: VW ジェッタ
B: VW パサート
C: BMW X5

との事です。

さて、何でこの不正が発覚したかという点についてなのですが、論文中では明確に記述はされていないように見えたのですが、論文の構成的に恐らく排ガス測定に用いる測定方式によって極端に数値がブレた事が発端となっていると考えられます。

(追記)交通環境の独立NPO The International Council on Clean Transportation (ICCT)の科学・技術的調査が発端のようです。でもってICCTがウェストバージニア大学に、より精密な計測試験依頼をして、その結果をもってEPA(アメリカ合衆国環境保護庁)とCARB(カリフォルニア大気資源委員会)にVW車が排ガスを垂れ流しているタレ込み、リコール騒動に。でもって慌ててVWは2014年12月にリコール改修を開始したのですが、改修後も排気ガスの排出が改善されていないことがカリフォルニアの検査機関で発覚。でもって最後にVWが不正プログラムの存在をゲロして今回の騒動にという流れだとか。

これらの計測には車をシャーシダイナモメータに乗せ、その上で定められたパターンに沿った加減速を繰り返し、その状態で排ガスを採取・測定するという手順が取られます。vw03

でもってこれら試験のミソなのが、「速度パターンの規格が予めきっちり定められている」という点です。vw14

FTP-75と規定されている試験方法では、エンジンの暖機運転なしでの負荷パターンと、暖気するまでの慣らし運転のパターン、そして暖気運転後の負荷パターンでテストを行います。

vw13

で、今回ボロが出たのがUS06と呼ばれる実際の走行のような急発進や急加速、高速運転、急停止などを考慮していないFTP-75の計測上の欠点を改良した試験方法でして、この方法で試験をした際に、極端にNOXの排出値が悪くなるという現象が発端となったと推測されます。また、ヨーロッパの排出規制であるNEDC(New European Driving Cycle)でも問題のVW車はUS06程ではないにせよ数値が悪くなる傾向にあり、計測方法によって極端な性能差が出る事に疑問を抱かれたのが切っ掛けになったのではないかと思われます。

vw02

で、公道上で試験した結果が以下のとおり。

vw04

試験コースは5種類。高速道路、市街地(ロサンゼルス)、田舎の丘陵地帯、市街地(サンディエゴ)、市街地(サンフランシスコ)。何かもう市街地と丘陵地帯の成績がメタクソです。アメリカの排気規制であるTier2-Bin5 Standardを数十倍上回る値を平気で叩き出しています。

vw05

一方一酸化炭素や二酸化炭素の排出量は大変低く、燃焼効率は大変良い事が伺えます。vw06

累積度数分布で見てみると、Aは苦手なコースである田舎の丘陵地帯の走行において、35と80辺りで急激に数値が悪化していることが読み取れます。つまり100回の試行中に45回の不良パターンと20回の極悪不良パターンがポーンと突出して出現している事が読み取れます。

vw07

Bの場合は丘陵地帯の走行で70辺りで急激に数値が悪化します。vw08

Cの場合は田舎道以外は悪く無いように見えますが。vw09

拡大してみると、90でガクッと数値が悪化しています。

これより、「負荷パターンによってエンジンの制御モードを優等生モード/不良モードに切り替えているのでは?」という疑いが浮上したものと思われます。

vw10

さらにそれを裏付けるのがこのグラフです。

実際に田舎の丘陵地帯の道を走らせた際の排気ガスのNOX(窒素酸化物)やPM(微粒子)排気温度を測定してみると一目瞭然。

運転開始から20分前後の地点で、恐らく坂を登る所で負荷がモード切り替えのしきい値を超えのか、排気温度が急上昇し、それと共にNOXやPMの排出量が急増している事が読み取れます。

不良モードで何をやっているのかは定かではありませんが、データから察するに恐らくは排気再循環(EGR)を弱めるor停止し、スーパーチャージャーやターボチャージャーで吸気量を大幅に増やしてリーンバーン状態にし、排ガス汚染上等モードで高温でエンジンをぶん回しているのではないかと思われます。加えて尿素SCRシステム搭載車では優等生モードの時のみ大量の尿素水溶液を排ガスに噴射してNOXをN2に還元させ、試験をパスしていた可能性も考えられます。NOx吸蔵還元型触媒搭載のA車が特に酷い成績になったのは、NOXを吸蔵する合金(プラチナ・バナジウム系か?)の吸蔵量が限定的なため、吸蔵限界量をオーバーするとNOXが垂れ流しになってしまったためと推定されます。

vw11

試行毎の特性を見ても、優等生モードと不良モードの切り替えが露骨にされている事が伺えます。

vw12

排気の温度分布を各走行コース別に並べてみても、特にストップアンドゴーで高負荷と低負荷が交互に来る市街地の走行では、高負荷時に極端な不良モード(高温)になっている事が伺えます。一方田舎の丘陵地帯では、ダラダラと高負荷状態と低負荷状態が続くために、温度分布が広くなっている事が読み取れます。

以上より今回の不正ソフトウェアの正体は「FTP-75の走行パターンに合わせてスロットルを開閉する際には優等生モードで走行し、それ以外の状態で高負荷がかかると一気に不良モードになって有害なNOX満載の排ガスを撒き散らす、ただし燃料は完全燃焼させるため燃費は良い」というドライバーと試験機関を騙すのに特化したソフトウェアの可能性が高そうです。

何というか無駄に凝った不正プログラムの作りに

ドイツのマイスターが誇る匠の技って奴を見せつけられた気がしました。

というか、コレどうするんだ・・・リコールや新車交換をすれば燃費や加速性能低下は必至で顧客満足度墜落でしょうし、しなければ集団訴訟を起こされて巨額賠償金。どちらにしてもブランドイメージ失墜で地獄です。

いっそドイツ車大大大大好きな中国あたりに会社ごと買ってもらうのも手かもしれませんね :mrgreen:

【VW匠の技】似非クリーンディーゼル技術の極みを検証してみた” への42件のコメント

  1. ピンバック: [はてブ] 【VW匠の技】似非クリーンディーゼル技術の極みを検証してみた | 膝と相談させてください | WEBで何かつくるよ

  2. 予想してたのよりひどい。ユーザーを騙してメーカーが触媒なしストレートになる車を公道にばらまいているようなもんでありえん。悪質すぎるんで制裁金はMAXでいいんじゃなかろうか。
    タイミングとしてはアメリカさんサイドとして狙い澄ましてますね、スズキの自社株買戻し、習近平訪米。
    スズキは痛烈に反撃できますね、虚偽の技術に基づいて提携してたんで。

    • オサムちゃんの野生の勘は素晴らしかったというオチになりそうですね。
      クリーンディーゼルの未来は一気に怪しくなってきた訳ですが、マツダのSKYACTIV-Dがパンドラの箱の最後の希望になってくれれば日本人的には大変嬉しい結果になるかと思います。
      まー現段階では同じ穴のムジナである可能性も否定出来ない訳ですが、個人的にはSKYACTIV-Dの低圧縮率ディーゼルが最適解であったというオチになるのかなと見ています。

    • 有難うございます。
      情報は後程フィードバックさせて頂きます。
      BMW X3にもこの問題は飛び火しているようで、もうこれは欧州車全体に深刻なダメージが行く事が避けられそうにもありませんね。

  3. ピンバック: VWのCEOが排ガス規制逃れで辞任、そしてスズキの神回避ぶりが話題に!! | vehiclenavi MAGAZINE(ビークルナビ マガジン)

  4. ピンバック: フォルクスワーゲンに約2兆円の罰金が科される排ガス不正を見つけた研究の内容とは | GarbWeeks

  5. この問題、30年前トラックメーカー「H社」が初めて採用した電子制御システムで発覚したものと同じですね。あの時は日本共産党がひそかにデータを入手、国会で追及しましたっけ。

    • コメント有難うございます。
      H社の件は当方勉強不足であまり詳細は知らないのですが、FTP75などの排ガスの試験方式を理解した時点で、不正を企てる輩は出るだろうなという印象は持ちました。
      今後はGoogle Earthやアイサイトなどの自動運転技術などから得られた地形データーを元に実測値に近い負荷を与えるなどの技術が発展するのではないかと私は考えております。
      定型化された試験パターンではどうしても試験対策を打たれてしまうので、これは今後の自動車業界にとっての大きな課題となるでしょう。

  6. ピンバック: ツカエル!ネットの話題 » Blog Archive » 09月24日 17:00版

  7. 試験の走行モードに合わせ最良の調整をしているのはどのメーカーも一緒ですし,それに合わせてトルク重視か排ガス重視かを切り替えてるのは現代のECUなら全てやっていることです.そのセッティングの作り込みが甘いからこんなボロが露呈するんです.業界の見方としては,VWは技術力の低さを露呈した,ということです.

    貴兄の表現を借りれば,「優等生モード」と「不良モード」になるわけですが,よくできた車のセッティングは優等生と不良の間に何段階ものセッティングが存在するわけです.それはマトリックス的に丹念にデータを取って最良の作り込みをしていく地道な作業になるわけです.マトリックスが粗いからこんな事になるのです.

    貴兄はよく調べておられて,目の付け所も悪くないと思います.ただ,「好漢,惜しむらくは実設計を知らず」と言った感じがします.

    • 業界関係者の方のご意見と思われますが、大変参考になりました。有難うございます。

      残念ながら私は機械工学の出ではありますが、自動車業界の仕事はしておりませんので、門外漢の観点からの私的な分析として書かせて頂きました。

      私も車を乗っていてこれらの「環境負荷に応じたエンジン出力制御」をECUがしている事は理解しております。私が現在乗っているフォレスターも状況に応じたコントロールを緻密に行っているでしょうし、燃費や加速性能もドライビングしている場所の環境局面で大きく異なっている事も認識しております。ただ、今回のVWの件に関しては、そういった「チューニング」と言い張れない程の露骨なモード切替と「燃費+ドライビング性能至上主義」という欧州自動車メーカーの病理という意味で大変重い問題であるように稚拙ながら考察させて頂いた次第であります。

    • これは技術者の発想ですね。今回の問題点は遵法精神なのです。過失ではなく、意図的な犯罪ということが問題なのです。ECUのマッピングの粗い細かいの問題ではありません。

      • この人、技術者どころか製造業の人でもないと思いますね。
        大体、これをエンジンの調整と言うなら、間違っても基準値を超える(40倍とか?)調整になるわけがありません。
        この件に限らず、普通の真っ当なメーカーなら安全をみて、余裕で基準範囲に収まる調整をするもんです。
        せいぜい、技術者の仕事を横で(or ネットで)見て分かった気になってる人じゃないですかね。

    • はじめまして。VWの排ガス関連について検索してこちらにたどり着きました。詳細なデータに基づく分析、有り難うございます。

      さて、私も上のIkemotoさんのコメントが気になったので書き込ませていただきます。

      曰く、優秀なエンジン制御なら「優等生」と「不良」の間に中間的なマッピングが幾つもあって、「最適」な作り込みをしているとのことですが、これはつまり、VWのように露骨ではないにしろ、他社も試験中か否かによって制御を切り替えているということでしょうか?

      確かに地域やメーカーを問わず、試験モード時に有害ガスが最小化するように制御する(逆に言うと試験モードを外れたら有害ガスが増える)のは普通ですし、それ自体は違法ではありません。違法なのは「defeat device」ですが、では何をもってdefeatと見なすのか?そのあたりの明確な定義はあるのでしょうか?

      例えば、試験中か否か判定して制御マップを切り替える事自体NGなのか? 判定して排ガス浄化機能を完全にOFF(0%)にしたらダメだけど、何%以上機能させていればOKとか?あるいは、ロジックではなく結果として、ロードテストで規制値の何倍以上のNOxが出ていればNG、とかなのか?(現実的とは思えませんが)

      もしそのあたりがクリアになっていないのであれば、この度の問題はVWだけの問題では済まないと思いますが如何でしょう?

        • しゃもさん。早速のお返事有難うございます。

          私が知りたかったのは、VWが今問題になっているアメリカの規制だったのですが、参考資料として上記のリンクを読ませて頂きました。

          日本の国交省(や環境省)が言っているのは次のようなことですよね。

          ①デフィートストラテジーというのがあるらしいのでこれを禁止する予定。

          ②ただし、エンジン保護や車両の安全確保に必要な場合は例外。具体的な条件はこれから決める。

          ③デフィートストラテジーの有無は、「シミュレーション法による燃費に対する排ガス試験での実測燃費値との乖離率が3%以内である場合に、排ガス試験が成立」 (P26)

          ④車載型排ガス測定システムの導入

          このうち①②④は詳細はこれから決めるという感じですが、よくわからないのは③ですね。

          シミュレーション法による燃費(スペック燃費のこと?)と実測燃費(路上試験による燃費?)を比較して乖離率が3%以内なら排ガス試験が成立ということでしょうか?
          何故か燃費で比較して、排ガス試験の成否を判定するんですね。

          何れにせよ、このプレゼンから3年経って今どういう結論になったのか?ましてや現状でEPAがデフィートストラテジーに対してどういう定義をしているのかは謎ですね。
          また今度、私の方でも調べてみます。

          • すみません、北米の規制ですね。
            細かくは読んでいませんが
            EPAでは主に過去の事例やリコール情報をユーザー向きに出しているだけという感じでして

            ・ホンダとフォードのディフィートデバイス発覚事例
            http://www2.epa.gov/sites/production/files/2014-06/documents/defeat.pdf

            具体的な条文と思われるのがこれです

            ・連邦規則集 40 CFR 86.1809-10 – Prohibition of defeat devices.

            https://www.law.cornell.edu/cfr/text/40/86.1809-10

            ただし、排気ガスの妥当性をガイドラインに添って判定する云々が書かれているだけで、詳細は不明です。
            判定に引っかかる場合は設計資料等を提出させて更に調査云々と書いてあるようですが、まーあくまでも条文なので、詳細は細則として別途作られているものと思われます。

          • しゃもさん。米国関係の資料、有り難うございます。

            過去にはホンダやフォードでも問題になってたんですね。

            規則の方では、メーカーはオンボードコンピュータのアルゴリズムを開示せよ、みたいなことは書かれていますが、どういうアルゴリズムならOK/NGかはここでは判りませんね。

            細則の有無や内容は判りませんが、露骨にやって発覚したら取りしまだけで、もしかしたらグレーゾーンはグレーゾーンのままなのかも。

      • ディフィートの定義はリンクの通りです。

        温度、車速、・・・等を検知して、排出ガス低減機能を停止または著しく低下させる機能・制御は原則として禁止する。
        但し、以下の場合は除く、
        ・排出ガス測定モードにおいて、十分にその作動・制御が評価されるもの。
        ・排出ガス低減装置等の車両部品・システムの重大な損傷・劣化や車両の安全性に関わる問題の発生を防止するためのもの。 但し、 上記の問題の発生が予想される必要最低限度の条件でその機能・制御が働くものであること。市場における出現頻度の低い、通常でない運転状態でのみ作動するものであること。

        「十分に評価されること」、「必要最低限」、「通常でない運転状態でのみ」などが最終的には政府(EPA)の判断となりますので、グレーゾーンといえばグレーゾーンですね。

        • 解説有り難うございます。

          リンクというのはしゃもさんが提示された条文のページの方ですよね?
          「温度、車速、・・・等を検知して、排出ガス低減機能を停止または著しく低下させる機能・制御は原則として禁止する。」というのはどの部分に書かれているのでしょうか?
          読み返したのですが、よく判らなかったもので^^;

          • VW不正問題を調べていてこちらを拝見させていただきました。
            とてもわかりやすく勉強になりました。
            タイチ様が9/27に書かれた③の事ですが、たぶんこういうことではないかと思います。
             不正かどうかは同じような別テストをしたら解るんじゃないか。
             でも別のテストだと違う結果が出るのは当たり前。同じようなテストって具体的にどうする? じゃあ燃費が同じになると思われる別テストなら理論的には同じ結果になるはずだ。
            という事で「燃費に対する」となっているんだと思います。
            ps
            以下の事が気になりましたので書込みさせていただきます。
            論文より引用の10個目のグラフの説明の「20分前後」は「20Km前後」ではないでしょうか。

          • A.I.さん。

            なるほど、そういうことなら意味は判りますね。
            多分ロードテストでも、ベンチテストのモードに近い走り方をするんでしょうけど、当然全く同じにはならないから、燃費の違いが3%以内なら同じモードで走った事にすると。

            すると、排ガスの規制値もベンチテスト時と同じ値が適用され、もしそれを超えたら何らかの形で(例えばGPSのデータでクルマが移動中=試験中じゃないと判断して)defeat deviceが稼働したと見なす訳ですね。

            日本の国交省がこれを検討しているということは、アメリカでは既にやってるかもしれませんね。

  8. ピンバック: 【VW匠の技】似非クリーンディーゼル技術の極みを検証してみた | 膝と相談させてください | ブログハッカー™ 2chまとめブログアンテナ

  9. ピンバック: 2015年09月24日(木)の日常 | okaz::だめにっき

  10.  大変興味深く拝見しました。
     cumulative frequencyなどあらためて勉強になりました。
     一酸化炭素排出量(g/km)のグラフの説明で、「・・一酸化炭素や二酸化炭素の排出量は大変低く、燃焼効率は大変良い事が伺えます。」と書かれていますが二酸化炭素のデータが入っていないのが残念です。二酸化炭素排出量(g/km)がわかれば燃費が簡単に計算でき、他のデータとの関連が実感として捉えやすくなります。
     燃焼効率とは、エンジン内で燃料がどれだけ燃焼するかであり、いまどきのエンジンでは常にほぼ100%でしょう。二酸化炭素排出量(g/km)(=燃費)は熱エネルギ→機械エネルギの変換効率(熱効率)を表しているとみてよい。、したがって、この数値が小さいから”燃焼効率”がよいというのには違和感があります。
     

    • 本文では省略しましたが、原文の方ではCO2排出量の測定結果と詳細な燃費測定も実施しておりまして、カタログスペックに近い良好な値が出ていることが読み取れます。
      私の見解では、今回発覚したエンジンは出力や燃費を最重視して環境性能無視で高温燃焼させるエンジンに、FTP-75を掻い潜るためのS/Wを搭載した物と見ています。
      詳細は専門機関や第三者機関の手によって今後明らかになるかと思いますが、興味がありましたら、原文をご覧になってみたら如何でしょうか。

      なお、ロイターの報道によれば

      ><VWの「無効化機能」>
      >VWの自動車に搭載された電子制御装置内の排ガス抑制を「無効化」する不正ソフトウエアは、試験走行時にはEPAの定める排ガス規制に適合するように、また通常走行時にはエンジン性能を最大化するため排ガス低減装置の一部もしくは全部を無効化するように切り替わる。
      >EPAによると、同ソフトはステアリング操作やスピード、エンジン持続時間や圧力などの要因を分析し、試験走行なのかを「正確に」判断するという。

      との事です。

  11. 論文のレビュー、参考になりました。

    こういったインチキを道具にして、2年連続(2009:VWジェッタTDI、2010:アウディA3TDI)でグリーンカーオブザイヤーをVWグループで受賞し、箔をつけていたというのですから。燃費を改善し温暖化防止を謳うほうが、旧来型の公害の主原因のNOx削減を上回ったということで。

    http://response.jp/article/2008/11/21/116837.html
    http://response.jp/article/2009/12/04/133368.html

  12. ピンバック: メモ20150925 | Nacky – Snowland.net

  13. ピンバック: フォルクスワーゲンの今回の件の記事を集めてみました。 | mixi日記アーカイブ

  14. ディーゼルの燃費が良い事自体は否定されていないけれど、排ガスを真に基準に適合させようとしたときに果たして今の燃費を維持できるか?
    ――というのがVWが生き残れるかどうかの分水嶺でしょうか。
    コストか、技術か、いずれかの理由でできないから偽装する必要があったんでしょうし。

  15. 30年前のH社は、エンジン回転数、負荷の大きさ(=アクセル位置)が排ガス測定モード(当時は6モード)に入ってから20~30秒経過すると、燃料噴射タイミングを遅らせてNOxを減少させました。 その後、規制は10モードに増えましたが、I社はエンジン回転数の変化率、アクセル位置の変化率が一定以下になるとH社のように燃料噴射タイミングを遅らせてNOx対策としました。
    90年代のコモンレール方式の実用化によって、このような排規制逃れは不必要になったと思っていました。 今回の事件は昔の亡霊を見たようです。

  16. 急発進や急加速、坂道でNOxが排出量が数十倍になってしまうというのは
    エンジンの性質上仕方のないことで、程度の差はあれどこのメーカーでも同じことです。認証試験の走行モードと実際の違いについては、Real Drive Emission規制というものの導入が検討されてはいます。

    今回のVWで問題なのは規制で禁止されているディフィート(認証試験モードだと判断してエミッションに関わる制御を変える)を行っていたことです。

    • その通りです。
      日本の車は基本、安全基準、検査のみフォーカスしてそれを達成するようにしています。それは違法ではなく仕方がないのですね。
      基準を満たせばいいんですから。
      で基準走行外の全負荷ではどれも一緒です。(断言)
      逆に全負荷モードでクリーンにできる事が不思議ですね。

  17. みなさま

    色々コメントをいただき有り難うございます。

    アップデートした情報を元に更なる見解を投稿しましたのでそちらをご参照頂ければ幸いであります。

  18. ピンバック: VWの排ガス問題 | Corsa Libera.

  19. ピンバック: 【ゴルフ】「もったいなかったなと思うけど」松山英樹、全米のダボは次のために。 - mens.pics/topics

  20. ピンバック: 【現役エンジニアが徹底解説!!!】「VW排気ガス不正問題」の真実とは!? | シェアブログ

  21. はじめまして、hiroです。
    >いっそドイツ車大大大大好きな中国あたりに会社ごと買ってもらうのも
    >手かもしれませんね
    VW法が改正もしくは、廃止されないと買収は、難しいでしょう。

    フォルクスワーゲン法とは
    1960年にフォルクスワーゲン社(VW)を民営化する際に制定されたVWの買収を防ぐための法律で、VWの本社があり、20.1%超の議決権を持つドイツのニーダーザクセン州に買収の拒否権が与えられているというもの

    • 初めて知りましたが、日本で言う所のNTTや電力会社と同等の半公営会社なんですね。
      それを知って更にかの会社の改革は困難なのではないかという気がしました。

  22. ピンバック: 自動車評論家(笑)はVWの偽装をどう擁護するか★23 | 車種・車メーカーの2chまとめ

  23. ピンバック: 自動車評論家(笑)はVWの偽装をどう擁護するか★23 | ガスパリャン - にちゃんねるまとめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)