【書評】「レッド1969~1972」 6巻 [山本直樹 著]

この巻より陰惨さが非常に増してくるため、レビューを見送ってきたのですが、リクエストがあったので続きを書く事にしました。

6巻はある意味「(キチ○イエクストリーム・スポーツ的な)大学のサークル活動」が終焉する節目となる巻です。

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山岳ベースで腕相撲大会をしてはしゃぐ武装革命サークル部員達。これに酒と花火とヤリ部屋があれば完璧です。

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決勝でだまし討で勝利をおさめる処刑予約番号13番の白根さん。このように革命者連盟は女の方が機転が利いてフットワークの軽い人間が多いのですが、彼女らの大多数は殺されるか脱走するかの二択の運命を辿ります

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こうして楽しく談話している姿に処刑予約番号を重ねあわせると不吉な予感しかしません。

まず、最初の綻びは処刑予約番号6番の薬師さん、再度脱走病が発病。しかもそれをペラペラ赤城に喋ってしまうという軽率さが寿命を縮めます。

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東京に戻ってマスコミと接触する処刑予約番号14番の宮浦さん。

なお、モデルとの比較をしてみますとこんな感じ

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女性は大分美化されていますね・・・。白根は↓にはっきりとした写真が載っていますが、比較的作中の姿と似ています。宮浦はPTAでキーキー喚いていそうな感じが・・・でも、巻末対談集ではドジっ娘キャラだったとの証言もあり、実態はよく判りません。薬師はパン工場のラインで黙々とパンの選別でもやっていそうな地味で幸薄そうな感じ。天城は作中ではスラっとした美人に描かれていますが、写真ではただの舞の海ですね。よくよく見ると結構端正な顔だったのかなとは思いますが、凡庸な女性だったとの証言も巻末対談集であり、作品によって扱いがかなり異なる人物のようです。

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でも(連合)赤軍内美人ランキングは重信房子が最強だと思います。娘も美人ですしね。

 

さて、続いて革命者同盟の吾妻が内縁の妻の宮浦をメッセンジャーに手紙を託して週刊誌マスコミに接触を図ります。

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前進というのが「猟銃店を襲撃して銃を強奪し、強盗や窃盗をして回って、警官を鈍器で襲撃して反撃射殺されたり、交番を爆破したりして警察と国家権力を真正面から挑発しまくった挙句、市街地から追い立てられ、山小屋で麦粥を啜りながら内ゲバ論戦と射撃訓練をしている」事であるならその通りですが・・・

流石に宮浦もこの文面と現実の落差を見て冷めたのか、記者に対してこんな問いかけをします。

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いいえ、ただの真性キチ○イです。 :-)

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更に革命者連盟の都内の拠点も壊滅、筑波の妻は逮捕。白根も逮捕されそうになるも、筑波が機転を利かせて「関係ない人間まで逮捕するなっ!権力横暴っ!」と警察に噛み付いた事により、一般人を装って辛うじてベースに逃げ帰ってきます。

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一方赤色軍は、南アルプスの新倉ベースで合同訓練の準備を開始。

ここで山に合流した北のダメオヤジぶりが段々明らかになってきます。

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とにかくオヤジは仕事をしたがらない、そのくせ他のメンバーに対してはサボり等を厳しく糾弾。相手をネチネチ責め立てて言葉尻を捕らえては批判を繰り返す、という嫌な上司そのものに変貌していきます。

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暴力傾向もパワーアップして、サボっている神山を縛り上げてサンドバックにしたり、自己批判から総括を求めることが多くなり、事あるごとに懲罰をメンバーに加えるようになります。

このように軍隊式のギチギチした作法が定着しつつある赤色軍の元に、革命者連盟の面子が合同訓練に参加するためにやってきます。

赤色軍は訓練を通じて革命者連盟を吸収ないし支配下に置こうと目論んでいたのもあり、ハナから革命者連盟に対して突っかかります。

革命者連盟が日頃は沢沿いに山岳を移動していたため、水筒を持ってこなかったことについて、まず岩木から。

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「何で水筒を持ってこなかった」✕1

続いて水筒を持ってきた神山君から。

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「何で水筒を持ってこなかった」✕2

さらに続いて握り飯を持ってきた鳥海君。

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「何で水筒を持ってこなかった」✕3

最後に新倉ベースにて大ボスの北がお出迎え。

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「何で水筒を持ってこなかった」✕4

しつこくネチネチ責め立てる赤色軍・・・ :roll:

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それに対して噛み付く赤城の弁も同レベルのアレっぷり。

お前は補給無視でビルマの山岳地帯を突破させようとして大量の病死者と餓死者を出してビルマ方面軍を崩壊させる元凶となったインパール作戦をやらかした牟田口中将かよ! 8-O

昔、インパール作戦の生き残りの旧軍の陸軍将校の方から「担架で後送中の意識混濁状態で自力で動けないはずの重傷者が敵襲を食らって、弾がピュンピュン飛んできたら飛び上がって走り始めた。人間は生死の境に直面すると恐るべき潜在能力を発揮できるものだ」と言っていましたが、その話を聞いて「いや、潜在能力を発揮してその場は逃げても、大怪我中に無茶すりゃその後高確率で死ぬだろ」と私は思いましたが :roll:

ちなみに、牟田口中将のインパール作戦失敗後に敗残将校を集めてやった心温まる訓示。

 インパール作戦失敗後の7月10日、司令官であった牟田口は、自らが建立させた遥拝所に幹部将校たちを集め、泣きながら次のように訓示した。「諸君、佐藤烈兵団長は、軍命に背きコヒマ方面の戦線を放棄した。食う物がないから戦争は出来んと言って勝手に退りよった。これが皇軍か。皇軍は食う物がなくても戦いをしなければならないのだ。兵器がない、やれ弾丸がない、食う物がないなどは戦いを放棄する理由にならぬ。弾丸がなかったら銃剣があるじゃないか。銃剣がなくなれば、腕でいくんじゃ。腕もなくなったら足で蹴れ。足もやられたら口で噛みついて行け。日本男子には大和魂があるということを忘れちゃいかん。日本は神州である。神々が守って下さる…」訓示は1時間以上も続いたため、栄養失調で立っていることが出来ない幹部将校たちは次々と倒れた

戦後左翼は戦前戦中の思考停止の愛国精神論や言論弾圧や人権無視に対するアンチテーゼとして生まれた物の筈なのに、結局のところ「竹槍でB29を落とす」と女子供にアジっていた頃の知性から1㍉も進化していないという辺り、これは壮大な自虐か何かなのでしょうか?

ここからは、赤色軍と革命者連盟の主導権を巡って、しょーもない嫁いびりのような糾弾合戦が始まります。

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ふえるワカメで糾弾(使っていたのは赤色軍の天城であったため自爆)

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合同訓練に来た動機について革命者連盟にネチネチ責められる天城ですが、元々彼女は人員不足+内部分裂のため関西部隊からの動員ができない赤色軍の数合わせのために北のオヤジの命令で関東の後方部隊から動員された広報担当の人間なので、これらガチなキ○ガイ非合法活動に関する確たる意思や思想があるわけでもなく、マトモに答えられません。

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更に女っぽいキャラクターの女性が大嫌いな赤城が、天城の人格攻撃を開始。言動に攻撃的な性格の悪さが滲み出ていますが、この「女性的」な攻撃性が、終盤に女性陣を皆殺しにかかる遠因となります

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かくしてクズとカスのミックスアップ(力量が同等のボクサー同士の試合時に、激戦のあまり能力が飛躍的に引き出される現象)が発動し、赤色軍と革命者連盟の足を止めての、無限エスカレーションの潰し合いが開始されます。

そして巻末の北のオヤジのこの宣言 :-)

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「無理やり連れてきたお前が言うな」×100 です :roll:

(つづく)

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