友愛の秘境探索ツアー その4 【♡友愛完了♡これより村落を放棄する♡】


やんば館を出て、車ですぐ脇の村落、住所で言えば「吾妻郡長野原町」の「大字 上湯原」なる村落をほっつき歩いてみる。

とりあえず村落を通る一本の林道みたいな道の脇に駐車できそうなスペースを見つけたので突っ込んで停めておいた・・・がタイヤがズブズブ沈む。どうも火山灰質の柔らかい土+腐葉土+前日の雨でぬかるみになっているようだ。

集落林道に突っ込み駐車

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停めた空き地みたいな所から山の方向を見ると小さな砂防ダムがあった。


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とりあえず、林道を戻り、村落へと降りていく。

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何軒かまだ人が住んでいるらしき家があったが、どの家も煤けて古い。

また、人の気配は全く感じられず、洗濯物が干していなければ空き家と見間違えられるほどの寂寥感に満ち溢れている。

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さらに下ったところにあった民家も曇って薄暗いのに明かりもついておらず、洗濯物と車が無ければ空き家当然の風体だった。

田舎の農村の平日昼間なのに外に人が居ない、畑は耕作放棄状態で荒地化していると、なかなか凄まじい荒廃ぶりである。

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段々畑の跡らしき場所、石垣だけが残っている。

長い事何も植えられた形跡もない、雑草だけは刈っているようだが・・・

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ここまではまだ人が残って住んでいる場所なので、用水路も機能しているなど、人の住む場所という感じであったが、この先の荒廃ぶりが絶句物であった

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まずは、住民が退去して取り壊された家屋跡、こんなのがそこら中に点在している。

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その脇には取り壊しのときに出たと思われる粗大ゴミが放置されて野晒しに。

このドサクサにまぎれて粗大ゴミを不法投棄しようとする輩がいるらしく、村落内に不法投棄監視のパトロールカーが監視をしていた。

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はいーごみつーほー81-5324 っと

中には監視員らしき男女二人が仮眠を取っていたが・・・このステッカーが無ければ練炭自殺でも疑いたくなる光景だった :-(

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周囲は半分雑木林化しており、放置しておけばこの空き地もじきに林に飲み込まれるのだろう。

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とある廃屋の前では大きな木が引っくり返って廃屋にもたれかかっていた。

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この通り玄関に枝葉がもっさりとかかっている状態に(○口○*)

軒先には若木が生え始めているし、自然の侵食速度の速さがよく分かる。

あと十数年もすれば家はシロアリにでも分解され、周りの平地は完全に自然に取り込まれて雑木林の一部と化し、鹿や猪や狸が闊歩する土地と化すのだろう。

そもそも人間様が住むような土地は、生育環境の良い場所なので、人間が放棄した土地を周辺の貧しい山岳地帯に追いやられた自然が全力で人間様の旧支配地域に侵略してくるのは当然だと言える。

あのチェルノブイリですら、発電所の爆発事故があった後の放射能汚染地帯が野生生物の王国と化しているという実態を考えると、自然から見た凶悪度で言えば

人間様>>>>>>>>>放射能>野生動物

という事なのだろうな。

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さらに奥へと農道を歩いて進んでみる。

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比較的最近になって放棄されたと思われる畑跡があった。

ここも囲みの柵やネットはボロボロになっており、畑は雑草だらけで荒れ放題という状態である。

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柵の中には枯れかけた松葉牡丹らしき花が咲いていた、この土地の現状を現しているようで、見ていてやるせない気分になった・・・

畑の先は工事現場につながる道らしく、通行止めになっていたので集落に戻ってみる。

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集落もよくよく観察してみると荒れ放題に荒れており、ボロボロの黒電話の公衆電話とか


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半ば放棄状態で廃墟感が漂う村落住民専用温泉とか・・・色々きつい設備の現状がこの土地の現実を語っているように感じた。

とにかくまーこの土地は、荒れ果てた村落跡といった感じの空き地と廃墟が混在しており、生活感が恐ろしく乏しい状況であるのは間違いないようだ。

実際に、住民の半数以上がこの土地を逃げ出している状態に陥っているらしく、地元住人が民主の友愛というか粛清建設中止に対し強硬反対しているのもこの崩壊寸前の村落の状態が続けば、例え移転予定地に移転しても集落が自然消滅しかねない状態であるため、早急な移転と再開発を行ってもらわないと自分たちの生活が立ち行かないという所が大きいようである。

このダム事業は、半世紀以上に渡り揉めに揉めてきた挙句、何とかダムは作る+再開発を行って地域振興も地元の納得の行くレベルでやるという方向で落ち着いた所で、民主党にひっくり返されたところに大きな問題があるようだ。

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村落から第二橋脚の工事現場を眺めながら、八ッ場ダムは「止めるにはあまりにも遅すぎた事業だったのでは」という考えがムクムクと頭をもたげてきた。

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例え工事を中止したとして、この荒れ果てた最果ての峡谷の土地にどうやって人を戻すのだろうか?

国に土地を譲渡して転出してしまった人を呼び戻すのは恐らく不可能に近いだろう。なぜなら政権が変わればまた再開だの中止だので翻弄される土地になんぞ戻りたくもないだろうし、転出先がどこであるか、家を買ったのか賃貸住宅の生活なのかによっても個人の蒙る損害や利益がバラバラなのも問題を難しくしていると考えられる。同様の理由でIターンの新規入植者を募るのも難しいだろう。

後の回で詳しくは述べるが、そもそもこの土地は恐ろしく農業に向いていない最低のやせ地であり、交通の便の悪さと相まって温泉と吾妻渓谷の景観を利用した観光程度しか産業らしい物は成立しない土地であるという点を考えると、今の状況では温泉と渓谷の観光産業を残す道を提案できれば、ダムに沈めても影響が少ない土地」と言えるのではないだろうか。

とまーこんな事を考えつつ、隣の川原湯温泉方面に向かうべく車にもどるのであったとさ。

(川原湯温泉方面ウォッチングに続く)

八丈島~青ヶ島 最果ての秘境ツアー その1【東京→八丈島】(リニューアルしました)

さて、今回の旅の目的は「秘境でシルバーウィークを楽しもう」と「釣りに挑戦」の二点です。

な ので、釣りができて、秘境ぽくて、マイナーで見所ネタ満載の場所という条件で探していたのですが、本当に難航しましたよ、メジャー所を避けるとなるとなか なか難しい物でして、極端にアクセスが悪かったり危険だったりと・・・で・・・今回はアクセスの悪さを緻密な計画を立てて押さえ込んで秘境に行くという方 針で計画を立ててみました。

そこで、白羽の矢が立ったのが伊豆諸島最南端の有人島「青ヶ島」でした。

何分にも一日一本、定員9人のヘリと平日のみ運行の就航確率4割の船しかない、というアクセスの異常に悪い絶海の孤島は、まさに今回の旅の目的地にふさわしい場所だと言えます。

という事で二重三重に予備ルートや保険を確保して挑んだ今回の旅のレポートをお届けします。

※旅先ではFLV形式の変換ができないので、とりあえずAVI直貼りをしておきます。後で修正予定。

9/20(日) 竹芝桟橋~三宅島近海

自宅を21時前に出発。
色々道中トラブって(SuiCaをホームで歩きながら取り落として、右足で華麗に線路内にシュートを決めてしまったのはナイショです)本来21:50くらいに着く予定だったのが22:00頃に浜松町に到着。船は22:20発なのでかなり早足で桟橋へ、何だか大量の酔っ払いが港の方から歩いてきます。何が起きているのか訝しく思っていましたが、桟橋に近づくとさらに酔っ払いだらけに。

外人も結構混じっていて、海賊のコスプレをしたヒゲ親父白人が玩具の曲刀を振り回して何か喚いていました・・

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交差点の信号待ちで何か港でイベントでもあったかしらんと思い出してみると

あ・・・そういえば今回乗る船の兄弟船のさるびあ丸が、この時期

神津島出航前に、飲み放題の東京湾納涼船として酔っ払いを生産しながら東京湾を一周
→竹芝桟橋に接岸、酔っ払いを吐き出す
→大特急で船内の掃除
→23時に神津島方面の客を突っ込んで出航

って流れで運行しているという話を聞いたのを思い出します

桟橋に着くともうそこは船で生産された酔っ払いどもの溜まり場と化していて大混乱
特に今回の連休中が最後の納涼船なので大盛況って事だったとか・・・(;´∀`)

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船はかめりあ丸という中型旅客貨物船。
ボロいというか・・・正月に乗った小樽→新潟のフェリーに比べると大変小さく、設備も古い・・・

甲板は二等船室の人が雑魚寝をやれるように開放されているため、そこらでシュラフにくるまってキャンプ状態になっております・・・

かめりあ丸甲板

何というか・・・客船というよりも大災害や戦争からの避難民を乗せた難民船のようなカオスな雰囲気です

自分は一等船室だったので(というか一月近く前でもう一等以外空いてなかった)個室で7人部屋でした。
面子はお婆さんとその娘さんらしき方、島の住民らしき母親と大学生くらいの子、あと白人(夫)と日本人(妻)の夫婦
見た感じ釣り装備を持ってきているのは私くらいです。
まぁ釣り客は格安な二等を主に使うのでしょう。といっても二等も8000円程度と決してお安くは無いです。

ちなみに、飛行機と比較すると特割運賃と一等客室のインターネット割引が12000~13000円程度でほぼ同等だったりします。

かくしてかめりあ丸は10:20定刻通りに出航しました。

レインボーブリッジ

アナウンスで御蔵島と八丈島は天候次第で欠航になる可能性ありの条件付出航であることを告げられます。
つまり、現地に着いても「波が荒くて接岸デキマセーン、そのまま東京に引キ返シマース」という事がありえる恐ろしいオプションつきの出航です。

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もちろん東京に戻れば運賃の払い戻しを受けることができるのですが・・・往復24時間近くを船に拘束されるだけで終わりというある意味恐ろしいツアーになるので、それはなるだけ避けたいもので・・・
天気は快晴なのだがどうやら時化ているようです明日の青ヶ島便も怪しい雲行きです。

二等船室は上級席の争奪戦とやらが激しくて二等上級席に乗り損ねた客のキャンセル待ちアナウンスがひっきりなしに流れていました。どうやら快適に二等を使うには色々な裏技やコツがあるらしいです。
まぁ後で船底の二等船室を見物して理由は良く分かったのですが・・・あれはカースト制度並みの格差ですわ・・・

ちなみにこの文章の下書きは一等船室で書いているのですが、目の前にいる白人は巨大なA4のMACBOOKを取り出して何やら打ち込んでいます・・・このお方は旅にデスクトップノートを持ち歩くのかよ・・・

そして次はカメラを取り出していじり始めた。今度はニコンの巨大な一眼レフだ・・・・どうやら彼はデカブツメカを持ち歩いての旅が好きらしいようで

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自分はミニノートのEeePCにオリンパスのCamedia・・・両方ともサイズが彼のに比べ3割位小さい・・・これも青ヶ島への渡航条件を色々考慮して色々装備を絞っているのです。
この文章を書きながら「ドミニカの無人島でサバイバル」なる動画を見ましたが・・・なかなかどうして青ヶ島といい勝負のヤバい島みたいでwktkが止まりません・・・病原体を持った蚊まみれのマングローブ林を突破したり、ハンマーヘッドシャークまみれの海を筏を作って脱出したりするアホな元特殊部隊の親父を見ているうちに脱力感ががが

という事をやりつつうだうだ書いているうちに11:30になり消灯のアナウンスが流れて二等船室及び共通部分が消灯です。

一等客室は個別に消灯できるという特権があるのですが、12時過ぎに皆寝だしたので消灯。

団体で来るなら5-6人で一等船室を貸切にするのが一番いいのかもしれません、今日みたいに満員だと無理でしょうが。

9/21(月)三宅島近海~八丈島

夜半
外洋に出てから船が速度を上げる、それに従いエンジン音がすさまじい事になります。
どういう音かと言えばゴゴゴボボボボボ+船体のキシミや色々な機械の唸る音

おまけに船特有のローリング揺れでぐわんぐわんと揺られる。
だけど、正月に新日本海フェリーで真冬の日本海を渡った時に比べれば、全然甘い甘いHAHAHA。
しかし、寝るには少々うるさすぎです、うとうとまどろむのが限界だ。耳栓を持ってくれば良かったと後悔。
あと、冷房がきつい、蒸し暑くなってきたと思うと強烈な風が天井からゴーッと吹きつけて喉が痛くなるほど乾燥、そして潮風の影響で蒸し暑くなるまで切れるの繰り返し、まぁこれは設備が古いからしゃーないですか。
ちなみに後で機関室付近を見て回ったときに見つけたのですが、空調はダイキン製でした。
ま た 三 菱 か。と言ってやりたかったが残念。

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ウトウトしつつマグロになっていたら5時過ぎに船内放送が鳴り響きます
「あと30分で三宅島に接岸です、八丈島方面へお越しのお方はお騒がせして申し訳ございません」
申し訳ございませんと言いつつ目覚まし時計代わりの放送なので、かなり容赦のない音量で繰り返しガンガン放送を行います。

しゃーないので接岸まで外で見物するかとデッキに出てみると左手に三宅島の明かりが見えました。
暫くぼーっと眺めていましたが、まだ距離があるらしく変わり映えしないのに飽きたので、二等船室の状況でも見物するかとカメラ片手に船底の世界へ降りてみました。

船底船室巡り

※カメラがぶれまくっているのは船の揺れと足元に人が転がりまくっているため色々な所を跨いで移動しているため。見づらくて申し訳なし。

いやぁ・・・凄い・・・まさに難民船・・・廊下やそこらに人がゴロゴロ転がっております。
しかも機関室のすぐ脇にも二等船室があるのですが、そこがまた・・・
まずエンジン音が凄いし、機械油と軽油のディーゼル臭も全開、しかも二等船室の和室って扉がないのでモロにエンジン音と油臭さを機関室と共有できるナイス設計
なるほど、ここに割り当てられた人は上に上がって甲板で雑魚寝した方がましって考えになるわけですか。
一等船室が何故一等か良く分かりました ハイ。

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食堂とかも見て回りますが、ここも難民キャンプ状態、食堂の椅子に寝そべって毛布をかけたりシュラフで転がっている人がわらわらいる。
机は二等船室の客の酒盛り跡で焼酎瓶やつまみの残骸が転がっていて、この前見た中国の高速鉄道のゴミ散らかしまくりの車内風景を思い出しました
日本人も中国を笑えませんぜ

こうしてカオスな二等船室の世界を見物しているうちに三宅への接岸が迫ってきたので
再びデッキに出て接岸作業を見物しました。

三宅島接岸中ウィンチ作業

舫をかけてウィンチでギリギリと締め上げて接岸する光景は非常にガテンな海の漢の作業という感じで、見ごたえがあります。

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そして数人がかりでタラップをハッチに着けた後、大量の人が中からゾロゾロと降りてくる。
暫く見物していましたが、数百人が吐き出されても一向に納まる気配がない。
客の8割は普通の観光客、2割が釣りかマリンスポーツ目的と思われる道具を持った客といった構成でした。
無論、そんな大量の客が一気に降りる物だから、波止場で下船客が屯して大騒ぎ状態になっています。
カオスなふ頭の上では東海汽船の職員が陸方向へ素早く移動してください~とメガホンで喚き散らしして必死に誘導していますが、人が流れる速度よりも蟻の群れのごとくわらわら客が降りてくるものだからそこら中で渋滞を起こしてプチインド状態。
多分1000人以上は余裕で降りたと思います・・・(旅客定員2021人だから今回は2000人は乗っていただろうと思われます)

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ふと気づくと波止場の先端部に大きめのコンテナが5-6個積み上げられているのに気付きました。そして大型フォークリフトが荷おろしの準備をして動き回っている、ああなるほど乗客が波止場から離れてくれないとコンテナを運搬できないから追い散らしていたのかと納得。

下船客が途切れたとたん、恐ろしい勢いでフォークリフトが荷物を抱えてタラップの後ろの隙間をバックのまま、かなりアクセル本気モードで陸へ向かって疾走・・・これって、ちょっとでもハンドリングが狂ったら海にドボンでは・・・

本土の物資頼みな島の状況が垣間見え、離島に来たことを改めて実感しました。

こうしているうちに舫とタラップが外されて、かめりあ丸は八丈へ出航するのでした。
三宅島は、以前の噴火でガスや火山灰が降灰するので、マスク必須状態だと聞いていましたが、誰もマスクをしていませんでしたし、特に異常や危険を感じることもありませんでした。

気づいたのは薄ら明るくなってきて、山の頂上に焦げている木が見えたくらいです。別に硫黄ガスの香りもしなかったしおおよそ通常状態に戻っているようでした。

全力バックフォークリフト→出航

どうでもいい話ですが、この船、白人♂の客がやたら多かったです。
日本の離島って彼らのセンス的にエキゾチックな観光地なのか?
逆に白人♀はラテン系のを一人しか見ませんでした。
黒人やアジア系も見当たらずと、この航路は客層が特殊なのかもしれません。

さて、八丈へ出港した船でですが自分の部屋の面子は7人中4人が下船
残ったのは自分と白人夫と日本人妻の組み合わせ。
奥さんのほうが船酔いでうんうん唸っていたので夫がおもむろに薬を取り出す。
その錠剤がまた大粒の飴玉くらいのサイズでバカでかく、奥さんがこんなの飲めないと喚いていましてHAHAHA!何もかもデカイぜ、ゴツいぜ。USA!USA!

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こちらは全然酔っていないのと、お腹が減って来たのもあり、食堂に向かってニチレイのレンジつき自販機で冷凍おにぎりを買って食べました。そこそこのサイズのおにぎり三個400円。90秒で暖かい米が食える日本の冷凍食品技術と自動販売機技術に感謝。

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腹も膨れたので客室に戻ってみるとちょうど日の出、水平線上から太陽がじりじりと上がってくるのは、山とは違う意味で壮観です。

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また眠くなってきたのでカーテンを閉めて二度寝に入ります。

目が覚めたら7時半ですっかり明るくなっていました。

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デッキに上がってみると60度エメラルドブルーの海の中を船が疾走している豪快な光景が広がっており、思わず うぉぉぉぉぉぉぉぉ と叫びたくなる感じです。

船は 時間がかかるけど 揺れまくるけど 設備ボロいけど
これは見る価値があります、他ではそう見られない風景です。

しかし、この船、甲板の手すりが腰の高さしかない上に、揺れが激しいので、海の映像を撮るのが目茶おっかない、下手な絶叫アトラクションより絶対怖いと思います。このエメラルドブルーの海に落ちたら確実死亡でしょう。

こうしているうちに遠くにぼんやりと八丈が見えてきました。

八丈が見えてきた

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みるみる島が近づいてきます。

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八丈小島が右手を通過します。

ここもすごい傾斜の見た目からしてアレな無人島なのですが・・・昔は人が住んでいたとか。

この島のエピソードについては宿で色々聞くことになりますが、それはまた後で。

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そうしているうちに八丈島 八重根港に入港。

港湾施設の状況が悪いので短時間接岸ですぐ引き返すとアナウンスが入ります。

どうにか到着できたことにとりあえず安堵。

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次回は、予想以上に色々独特の空気が流れていた八丈島の島内風景をお届けします。

友愛の秘境探索ツアー その5 【♡友愛の湯♡生殺しの湯♡】

車に戻って狭い林道をうねうねと曲がりながら進むと川原湯温泉にそのまま入れた。

先日行った伊香保温泉に比べると大変規模が小さく、宿が7-8軒とみやげ物屋が1軒、よろず屋が1軒、寿司屋が1軒と美容院が3軒ほどあるだけの大変小さなひなびた温泉街という風情である。

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「山木館」という宿で日帰り入浴をやっていたので入ってみる。

渓谷の見える小さな露天風呂で、泉質はびみょーに硫黄臭のする透明な湯で、入った後みょーにお肌っゃっゃになった。

女性の方にはいい湯ではないだろうか、ただし、一般の露店風呂は混浴のようだったから貸切風呂の方を使ったほうがよさげだが。

まぁでも総合的には結構風情があっていい湯のように感じた。

宿は宴会場があったり板張りの廊下に赤い絨毯マットが貼ってあるなど、まさに昭和の温泉旅館という感じだった。

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入浴後、温泉街をふらついてみる。

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温泉街内には小川が流れており、橋をくぐって小さな滝になっている。

個人的にはこういう風情の有る景色は好みだ。

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温泉街の建物は全般的に古く、ひなびた雰囲気であり、建物の建ち方もまばらである。

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とにかく全てが錆びていたり閉鎖されていたりボロボロに老朽化していたり崩れていたりという具合で、半ば廃墟に近い雰囲気に街全体が包まれている。

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比較的新しい看板やベンチがあると思ったら川原湯温泉の移転計画の広報看板だったりと・・・

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何でもダム建設に伴う移転計画があるため、ここの温泉宿は建物や温泉設備の更新も粘りに粘って延長して、騙し騙し古い建屋を使い続けているんだとか。

計画では、この一帯はダム湖のほとりにある造成地に移転して新しい温泉街に再開発するという事だそうで、街の中の看板にも新温泉の完成予定図が大きく掲げられていた。

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温泉街唯一の商店である酒屋兼よろず屋もどえらく寂れて荒れた雰囲気に満ち溢れていた。

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壁にはすっかり脱色した伊藤四郎「ビールの乾杯だ」という文言を前にしばし首をかしげ???モードに。

日本語おかしくね?

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温泉街から遥か遠くの山の斜面を見ると、ダム建設に備えたがけ崩れ対策工事をやっているのが見える。

かなり大量の重機を動員して作業をしているらしく、遥か遠くの温泉街まで重機のエンジン音がこだましていた。

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カメラで目いっぱい20倍ズームをして撮ってみた。

重機の大きさから工事規模の大きさが読み取れる。

まぁ青ヶ島の護岸工事に比べればちょろい物だが・・・・というかあれが狂っているだけなんだろうが・・・

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更に温泉街を下りながらほっつき歩いてみると・・・

川原湯温泉「ゆうあい」・・・( ´,,_ゝ`) プッ

ごめん・・・笑っちゃいけないんだろうけど、民主党に友愛粛清されかかっているこの土地でこのネーミングは色々な意味微妙かつ絶妙すぎる

「楽しい旅・・・」って迷走しまくってデスマーチになりかかっているこの土地の現状とも読めなくも・・・ごにょごにょ

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次に、温泉街付近の崖の岩や土をほじくり返して、地盤の様子を観察してみた。

エコ大好き・ダム大嫌いなダム建設反対運動家の方々が地すべりが起きる可能性が大きいから、このままだと追加工事が発生して更にコストが嵩むと主張していたが、確かにあまり地盤や岩盤の質はよろしくないように感じた。

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岩も水が入り込んでボロボロになっていて手で簡単に崩れる状態だ。

といっても青ヶ島の火山灰+軽石の混合物のような崖と比べれば全然頑丈。まぁ普通の火山地帯の崖って感じだろうか。

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こんなんで大丈夫なんかいと思っていたら、きっちり崩れ対策の工事は進められていた。

最終的には住民立ち退き後に斜面全体をこのように整形するようだ。

ま、家が建って人が住んでいる場所なのだから、コンクリで固めるほど脆くて傾斜がきつい斜面ではないと思うし、この程度が妥当のように個人的には感じられた。

また、断層に水が入って地すべりが起きると反対団体は主張しているが、その辺りは正直中立的な立場にある専門家に見解を出してもらうしか無いだろう。

推進ありきの国交省はリスクは無いと言い張るだろうし中止ありきの反対団体は、想定されるあらゆるリスクを取り上げては否定的な主張しかしないだろうし、ここは地すべりに対する災害保険の見積もりを複数の保険会社にさせて、リスクを第三者に評価してもらった上で、リスクを保険で担保してもらう方が良いのではないだろうか。

そうすれば本体工事を安く請けて、「想定外の環境不具合」とやらで追加工事をガンガン発注させて儲けるというビジネスモデルでやっている土建会社を排除する事にもつながると思うのだが。

とにかくこの手の土建屋による公共事業ビジネスは、土建政治屋や官僚やそれを取り巻く不動産会社やゼネコンといった闇の紳士の暗躍といった、泥臭さと胡散臭さがどうにも抜けきらない病んだ業界の体質を浮き彫りにしてくれる物だ。

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ちなみに、ダム建設の技術的な目処が立ってから、ダム建設の用地買収を当て込んだ東京の不動産ブローカーが大挙この土地に押し寄せ、札びらで無人の土地を買い叩いてはプレハブ住宅を建てて即席住宅地をでっち上げ、国からの土地収用の交渉価格を吊り上げては(住宅地の方が補償額が高額な為)ぼろ儲けするという土地ころがしが横行していたらしい※

※具体的には、一坪1500円が相場の山林の土地を4500円で買い取り、整地してプレハブ小屋を建てて国に45000円で引き取らすとか。

流石にこれは大問題になり、昭和61年に国交省により↑の看板に書かれているような規制がかけられ、露骨な土地ころがしは出来なくなったようだが・・・

ダムの建設反対団体もそうであるが、部外者が色々便乗して儲けようとしたり、土地の人間の都合など無視して好き勝手にエコ宗教じみた主張や訴訟を繰り広げていたりという辺りがこのダムの嫌らしい所のようである。

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それに加え、更に話をややこしてくしているのが、この土地の選挙区が自民党(小渕優子)の勢力基盤であるという点である。

看板やポスターは殆どが自民、稀に共産党があるというアンチ民主な土地なので、民主党的にはこの土地には冷や飯を食わせてもダメージが小さく、しかもマスコミ・世論受けのいい「無駄の削減」というパフォーマンスに打って付けの素材であったがために、建設を中止する事による影響を一切無視して強引に押し切ろうとしているようだ。

民主党自体が土建政治屋的な色彩の濃い政党なので、(特に小沢一郎は田中角栄の直系の土建政治屋であり、小沢氏の地元の胆沢ダムは西松建設の違法献金事件があったのにも関わらず、全く見直し対象になっていない)これら土建政治家によるベタベタな利権ゲームの巻き添えを食らっているというのが八ツ場ダムの蒙っている災厄の本質なのであろう。

ちなみに八ツ場ダムは総事業費4600億円がかかっている事を批判されているが、胆沢ダムも八ツ場と同様に土地収用の難航で2440億円まで事業費が高騰している事を考えると、大声で民主党がこのダムを批判する資格は無いと思うが。

まぁ民主党も「道路が欲しければ民主党を応援しろ」とか、選挙に勝つ為のエサや道具として公共事業を使うようになってきており、八ツ場も民主支持を条件に工事再開を認めたりしたら救いようの無いクズ政党だなぁ・・・まさに友愛の理念を具現化した素晴らしい政治団体ですね!友愛されたくないから念のため心にも無くヨイショしてみた。

こんな感じで、調べれば調べるほどこのダムを取り巻く腹黒紳士の悪行に顔をしかめたくなる訳なのだが、何にせよ一番迷惑しているのは地元住民である事は間違えないだろう。

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ま、どのみち工事を進めて移転しない事には、この土地は遠からず無人地帯になるでしょう。

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温泉街や、辺り一帯の様子は十分ウォッチングできたので、次はJR吾妻線に乗って渓谷上流部の土地がどんな状況なのかを観察してみる事に。


(おまけ)

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・・・現状を反映して「八ッ場ダムに沈まなくなったお福の店にお手伝い!」と書き換えると一気にこう・・・萎えるんだろうなぁ

八丈島~青ヶ島 最果ての秘境ツアー その2【八丈島の酔夢】

9/21(月) 八丈島

今回フェリーは、御蔵島を飛ばして直接八丈島の八重根港に入港したため、予定より30分程早く八丈に上陸。

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かめりあ丸から下船したところ、港には送迎の旅館やホテル、レンタカー屋がずらりと並んで下船した客を次々と回収していった。

八重根は小さな港で、岸には火山岩の磯が広がっている荒々しい港である。そのせいか堤防には釣り客が大量に屯している。後で聞いたところによると、連休である事もあって堤防の場所取り合戦で釣り客同士の雰囲気が殺伐とした事になっているのと。

でかい獲物が釣れると、野次馬が集まってワーワー大騒ぎするなど、何が必死な人達が多くてまったり釣りをする雰囲気じゃなかったとか何とか・・・

自分は釣れようが釣れまいが知ったことじゃなく、ぼーっと静かに竿を垂らして俗世を離れた釣りをやりたいだけなので、やはりこういう都会のせわしなさや競争!競争!勝利!という必死さをそのまま持ち込んだ所では、やる気が起きないなと改めて思う。

こういう離島に来たら、時の流れるに任せてぼーっと過ごすのが真っ当だと思うのだがなぁ・・・そういうのは少数派なんだろうか。

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今日の宿泊は八丈島→青ヶ島の定期船「還住丸」が運行していれば青ヶ島、欠航なら八丈島で宿泊と決めていたので、青ヶ島役場に還住丸の運行状況を問い合わせてみるとやはり欠航との事、これも後で青ヶ島で聞いたのだが、この日は青ヶ島の三宝港は凪いでいて全然大丈夫だったのだけど、八丈島周りの海流のうねりが荒くて、台風の待避所である港(多分、防波設備の作りが一番堅牢な神湊港だと思う)から八重根港に出れなくて欠航になったとの事。船の欠航が続いて青ヶ島に閉じ込められた人の記録を読んだ時に、海は凪いでいるのに何故か還住丸が欠航するという不思議な事が続いた、島民に話を聞くと「還住丸はよくサボる」と言っていたと書いてあったが、八丈の港湾状態×青ヶ島の港湾状態で就航が決まるのでは仕方のない事なのかもしれない。

島は奥が深い。

という事で予定通り八丈で確保しておいた宿「八丈島ガーデン荘」に連絡を取ってみる。

ここを選んだ訳は「青ヶ島行きの物好き計画を立てているから、還住丸欠航時にだけ飛び込み宿泊になるかもしれませんが大丈夫でしょうか?」という無茶なお願いをシルバーウィーク只中にも関わらず聞いてくれたからである。

連絡したところ、「他のお客もいるから今八重根に向かっているよ」との事なのでぼーっとかめりあ丸の慌しいコンテナの積み下ろし作業を見物して時間をつぶす。

さっきかめりあ丸の船内で聞いたアナウンスでは、御蔵島に入港できなかった&普段は入港しない八重根港に悪条件の中入港した影響で、清掃作業と荷の積み下ろしが終わったらすぐに東京に向けて引き返すらしい。なので御蔵島行きのお客は下船は許可できないのでそのまま船の中にいるように、なお、帰りの便で御蔵に寄れるかどうかは不明との事。

 

鬼だ・・・まさに鬼畜船だ・・・(;・∀・)

何の罰ゲームだろうか・・・全く・・・

 

離島への船旅の恐ろしさを垣間見た一瞬であった。

かくしているうちに、迎えが到着し、他の宿泊客も拾って宿へと向った。

 

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ガーデン荘は名前の通り、入り口に面した庭が南国植物の庭園になっている民宿で、えらい味のある木造の宿だった。部屋はまぁ普通の民宿って感じの部屋で、この庭がすぐ近くにため、ものすごく小さな蟻が部屋の中を列を作って行進しているのはご愛嬌。田舎にしてはこの程度の虫は少ない方かと。経験的には本土の田舎の方が強烈だと思う。あと薮蚊も入り込んでくるけれど、ちゃんと蚊取りが用意されているのでつけておけば問題なし。

設備は古いけど、トイレや風呂はちゃんとしています。

それ以上にこの宿は図書室があって、ご主人が集めた膨大な量の蔵書が読めるのもよし。

この図書室には、よくこの宿のマスコットの猫(名無し猫)がくつろいでいる。

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ガーデン荘の目の前は小学校、右上に地熱発電所と風力発電所がある。

あとで宿のおばちゃんに聞いたところによると、風力発電所はドイツ製で、台風を想定していない設計だったらしく、台風の直撃を食らって暴風対策の羽根車の非常ブレーキが壊れてかなり手ひどく壊れたとか。曰く「島の天気をなめるな」 と。

地熱は八丈の電力の2割程度を賄っているらしいが、(微量の)硫化水素が噴出して硫黄臭が一帯に立ち込めて当初大騒ぎだったらしい。暫定対策として当初はガス炉を増設して硫化水素を燃やすという戦法で対応して、宿に泊まったガス会社の人曰く「いやぁ儲けさせて頂いております」というくらい派手にガスを燃やしていたとか。東京電力の資料を見る限り、今では工場の煙突につけているような脱硫装置をつけて硫黄ガスを水酸化マグネシウムに吸着させているみたいだ。あと、温泉と同じく鉱泉なので掘った穴に頻繁に堆積物が詰まって大変らしい。今ではボーリングで三本掘った穴のうち、詰まっていないで稼動しているのは一本だけとか。

要はその穴には湯の花が詰まっている訳だから、掃除して取り除いた堆積物をくれないかとおばちゃんが言ったらしいのだが、くれなかったとか・・・まぁその堆積物が人体に対して安全か保障の限りでないって辺りの問題なのかなぁ。どうせなら成分調査をして商品化してみりゃいいのに。

と言う事で、おばちゃんから色々話を聞き、天然の力を使った発電と言うのは難しい物だと思い知る。

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昼飯は近くのラーメン屋で取るといいと言われ、教えられたままに街道らしき道をふらふら5分程歩いてラーメン屋を見つけ、ラーメンで昼食を取る。道中小学生高学年程度の野球チームの一団とすれ違ったが、島らしく全員「こんにちわー」と挨拶をしてくる。

ラーメン屋でもそうだったが、この島は子供が多いような気がする。まぁ高校まではあるから普通にやって行くなら不自由は無いんだろうな。進学するなら飛行機で50分の東京に行けば良いだけだし、生活インフラも十分整備されているから、割り切って住むにはこの程度の離島というのは有りだと思う。

食事後、近くを散歩してみようと更に宿から離れた方向に進むと、海側に向うお寺と神社の案内標識が見えたので、とりあえずそちら方向に降りてみる。

沿道の家は石垣で囲まれたコンクリ作りの家が多く、流石台風のメインストリートにある島の建物だと感じた。お寺もコンクリ作り、本土みたいに木造だと台風が来たらひとたまりも無いのだろう。

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中之郷三島神社に降りてみる。ここの石垣は玉石垣といい、丸い石を積み重ねてできている。宿で後で聞いたところによると、岸壁に転がる火山岩が長い時間をかけて波で削られてこのような丸石になるそうで、その石を流人が海岸から一つ担ぎ上げると握り飯一個を渡すというようなやり方で石垣の材料を担ぎ上げて作ったとか。一つの玉石の周りを6つの玉石で囲む構造が、この島の激しい風雨に耐える強固な石垣になるらしい。

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積み上げ方がこの石垣は大変難しいらしく、今では正確な技術を伝える者は居ないとの事。一部の農家が技術の復興を目指して再現を試みているとか。

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この神社の解説碑に書かれていたには、この神社の石宮は江戸時代末期に流刑にされた石工が作り上げた物だとかで、流されてきた石工が石垣や石造建造物の技術者として重宝された事が伺える。

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しかし、コンクリ作りの建物も潮風と激しい風雨の影響で風化が著しい物が多く、半分廃墟化したような佇まいの建物が多く見受けられるのも島の特徴である。

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流石南国だけあって、そこらの民家の植え込みに、半分雑草化したアロエやこんもり茂ったソテツが植わっていたりしており、東京と比べるとまだ夏の気配が色濃い日差しのせいも相まって夏を一月取り戻したような雰囲気に包まれている。

とりあえず、海のほうに突き出た建物が見えたので、そこを目標地点にひたすら歩いてみた。

森の中から子供の叫び声みたいな声が聞こえたので、???と思ってその方向を暫く見つめてみたら、東京では見たことの無い鳥が叫び声をあげながら飛んでいった・・・まぎらわしいわ。

そしてどんどん海に近づくにつれ建物が無くなってビニールハウスだらけになってくる。どうやら観葉植物などを作っているらしい。そして目的地の建物に到着・・・

 

ゴルフ場だった・・・こんな所に・・・

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しかも、このゴルフ場・・・凄い立地なんだ・・・

コースの片側が島の「断崖絶壁」、コースとコースを区切る境界は天然の「崖」荒波がどっぱーんと磯にぶつかる音を聞きながらのプレーができるという・・・

 

どこのプロゴルファー猿のコースだよ・・

 

ちなみにこのゴルフ場、八丈島シーサイドゴルフクラブといい、ショートコースで4000円でプレーできるので、お好きな人にはいいのでは。

船旅の疲れもあったので、ここで宿に2時過ぎに引き返し、そのまま倒れこんで仮眠。

気づくともう6時半頃だったので、暫く時間をおいて宿の食事に母屋に向かう。

食事は島寿司やら裏の畑で取れた野菜やら釣り客が差し入れてきた魚の刺身やらで、どえらく豪華。しかも瓶に入った焼酎はてきとーに飲んでいいという島らしいアバウトさ全開のシステムである。

焼酎が切れたら一升瓶に入った焼酎が奥の棚に並んでいるのでセルフサービスで補充するのが掟。「情け嶋」という焼酎があっさりしていてとても美味しかった。

青ヶ島に行くと言ったらあちらの名産の焼酎「青酎」もご馳走になった。

味はブラジルの黒糖焼酎「ピンガ」に似た香りのかなり強烈な芋焼酎。何でもここの親父さんは元々八丈島の観光協会に勤めていて、今は東京七島新聞という伊豆諸島のローカル新聞紙の記者さんをしているとか何とか。青ヶ島村の村長とも飲み友達らしくちょくちょく村長が遊びに来るらしい。

で、先週村長が飲みに来て、八丈島の奥さんの実家においてある車を置きっぱなしで帰ってしまったらしく、「車どーするんだ、取りに来ないとレッカーを呼んで崖から海に叩き落すぞ」と村長に会ったら伝えてくれと宿の親父さんに頼まれる。

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同席した宿泊客さん達は 北海道から来たサーファーさんと一緒にきた奥さん、離島大好きで離島赴任を志願しているという都内の中学校の先生、某大学の生物学の教授ご夫婦、それと素潜りで銛を使って魚を捕りに来た元八丈島の教員の方ご一行。

とにかくこの面子、えらく濃くて特殊な人が多く・・・会話のディープさが凄かった・・・特に大学教授さんは、南米に1980年代に調査に行っていたらしく、ブラジルネタつながりで色々ディープな話ができて・・・ええ。中学校の先生曰く「この宿は凄くマニアな宿だから、普通の人は泊まりませんよ。よく探し当てましたね」との事。

青ヶ島に行こうという時点でマニアと言われても何も反論できないのが悲しい・・・

「というか青ヶ島みたいな極端にアクセスの悪いところに行くからスケジュールが不安定なんだけどどーにかなりますか?」何ていう無茶な相談に乗って頂いたのがここだけだったんだけどさ。

その中学校の先生も相当な離島マニアらしくて、次の赴任先は離島を志願しようとしているとか。今は八丈にするか小笠原にするかで大いに悩んでいるとか。生活に関する条件としては「ブロードバンドとアマゾンの通販が届けば何も問題ない」だそうで。

・・・気が合うね。自分も同じだよ・・・。

ちなみに八丈はBフレッツが敷設されているのでブロードバンド環境は東京並み。小笠原諸島はISDNだけだっけな。青ヶ島も学校と役所向けにISDNが電波で飛んでいるだけらしい。

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人間どもが飲んだくれていると、ここのマスコットの猫がにゃーんと鳴きながらふらーっと現れて人の膝の上で丸まったりじゃれてきたりする。とにかくこの猫は大人しくて人懐っこい。

宿のおばちゃん曰く、この猫、あまり生魚が好きでないようで、新鮮な刺身もイマイチ食いつかない小食猫だと。でもって好物は何かとばーちゃんに聞くところ、焼き飛魚(アゴ)だそうで、後日焼き飛魚を飲んだくれながらつまんでいたら「中にいれてー!!」って感じでガラス戸をぶっ叩いている猫がいたり・・・。

この贅沢猫め!

と言う事でいい宿にめぐり合えた幸運を感謝しつつ三日目の青ヶ島上陸へと進む。

友愛の秘境探索ツアー その6 【最果ての駅で僕を待つ者・・・誰もいねぇよ】

周囲を見終わったので、時間が合えば上流方向に電車で移動してみるかと川原湯温泉駅で時刻表を見てみる。

大体一時間に一本あるかどうかの典型的なローカル線ダイヤであったが、ちょうど5分後に次の電車が来る事が分かったので、早速切符を買ってホームで電車を待つ。

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どこまで行けばいいのか今一良く分からなかったので、とりあえず終点まで買ってみた。

まぁこの一帯は温泉地だらけだし、終点なら小田急線で言う所の箱根湯本みたいな所なのだろうなーと何も考えず買ってしまった時点で・・・

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孔明の罠にはまっていたのだが・・・

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ちなみにこの駅もダムの底に沈むので、ダムの上に移転予定だそうだ。

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数分待つと、しとしと降る雨の中、いかにもローカル線といった感じの電車が入線してきた。

もちろん線路は駅だけ二本に分岐し、駅と駅の間は一本しかない単線だ。

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なんつーか、昔の東海道線の普通列車と同じタイプぽいなー詳しくは知らないが。

この辺りは余り雪も降らないのだろうし、関東の平地を走る電車と同じ物を使っても支障がないのだろう。

という事で、電車に乗り込んで出発。

結構車内は草津温泉に行くとおぼしき観光客で賑わっており、座席は8割方埋まっていた。

[videopop vid=”1259154835″ vtitle=”川原湯温泉出発”]

車窓からは吾妻渓谷の景観が道路よりずっと高い位置から見えるので、車で走るよりは景観を楽しめると思う。

[videopop vid=”1259154936″ vtitle=”車窓から吾妻渓谷”]

先ほど見た未完成の橋と同じ構造の橋も上流側では既に完成していた。

ダムが完成した際には、ダム湖の上をこの橋が通る事になるので、結構いい観光スポットになりそうだが・・・どうなるのやら・・・

[videopop vid=”1259154999″ vtitle=”上流側の完成した橋”]

眼下の渓谷を流れる吾妻川の川の色がまるでバスクリンのような毒々しさで凄かった。

この吾妻川は上流が浅間山や草津温泉などの活火山地帯なので、元々は火山から流出した硫化物の影響で亜硫酸レベルの強酸性の水が流れる死の川であり、魚はもちろん生息できない上に、農業にも使いようの無いようなとんでもない川であったらしい

川の水は強酸性の水なので、上流の白砂川(旧名:酸川から転じて須川)の沿岸では護岸工事を行うにもコンクリートの劣化が激しく、吾妻ダムの建設も同様の理由で不可能だった。

吾妻川は利根川の上流の川であり、吾妻川の強酸性の水は下流の利根川の水質にも大きな悪影響を与えていたため、白砂川に品木ダムという中和施設付きのダムを建設し、その中和施設である草津中和工場から石灰を投入して、強酸性の水を弱酸性程度まで中和させてから下流にダムの上澄み水を放流するという事業を1964年から行っている。

800px-Shinaki_Dam_lake

化学式で言えば。

消石灰+硫酸=水+石膏

Ca(OH)2 +H2SO4 → 2H2O + CaSO4

という原理で硫酸を石膏にしてダム湖の湖底に沈殿させている訳である。

ちなみに、この緑色の水の色は恐らく水中に含まれる銅(Ⅱ)イオン+石膏の白濁が混じり合ってできた色だと思われる。

飲んだら確実に健康を損なうような毒水、それを無理やり中和してなお毒物の残滓が漂う川、それが吾妻川の実態なのだろう。

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そんな事を思いつつ、電車でどんどん上流へ進むと、ダム建設予定地を抜け一気に建物と畑が増し、人の住む町という風情になってくる。

[videopop vid=”1259155687″ vtitle=”羽根尾駅”]

建物も新しく、田んぼや畑も小さいながらきっちり整備・管理されているのがよく分かる。

これに比べ、川原湯温泉付近はゴーストタウン一歩手前の崖っぷちにある村落である事が良く分かる。

[videopop vid=”1259155480″ vtitle=”そして誰もいなくなった”]

で、気づいたら車内はこの有様と・・・

PB020248

[videopop vid=”1259155788″ vtitle=”袋倉駅”]

終点の大前の二駅前の袋倉の車内映像。

まぁ川原湯温泉の次の駅である長野原草津口が草津温泉の最寄り駅のため、ここで大半が降りてしまったのが原因なのだが・・・

あと、吾妻線内はSuicaは使えない上に、自動券売機も無いので駅員のいる駅では駅員にでかい切符を発行してもらい、いない駅では車掌にポータブルプリンタで乗車券を印字してもらう事になる。

[videopop vid=”1259158393″ vtitle=”万座・鹿沢口駅出発”]

終点の一駅前の万座・鹿沢口駅での車窓映像。

だんだんこう・・・左右に広がる山肌が迫ってきて峡谷のどんづまりに到達している事がよく分かる

なお、この時点で自分の乗っていた車両の乗客は自分だけであり、隣の車両にも誰一人乗っていなかった・・・(´・ω・`)

[videopop vid=”1259158476″ vtitle=”終点大前駅到着”]

何か恐ろしい勢いで周囲の光景が寒々しくなってきたと思ったら終点の大前に到着。

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降車した客は自分以外は地元民とおぼしきおばちゃん一名のみ・・・

そして果てしなく寒々しく荒涼とした光景が目の前に広がる

何だこの地の果ては・・・


八丈島~青ヶ島 最果ての秘境ツアー その3【おじゃりやれ(いらっしゃい)青ヶ島】

9/22(火) 八丈島→青ヶ島

日本で唯一のヘリコミユーター路線である、東邦航空の「東京愛らんどシャトル」の八丈→青ヶ島便に搭乗すべく、八丈空港に宿の親父さんに送ってもらい午前8:20頃に入る。空港ターミナルの片隅にある小さな受付が東邦航空のカウンターであり、カウンターの横には荷物を計量する秤が鎮座している。

搭乗手続きの受付は8:30~8:45であり、その間に荷物の計量を済ませ(荷物の持ち込み重量上限5kg、長尺物の長さは140cmが上限で、重量超過1kgごとに220円の超過料金を取られる)運賃を払ってチケットを受け取るというルールになっている。

家で散々荷物の重量を削っては計量したのだが、衣類や釣り道具をギリギリに絞っても、ノートPCを入れるとどうしても500gほど超過してしまうので諦めて1kg分の超過料金を払うつもりで計量をする。予想通り550gほど超過していたので220円追加で11430円を支払う。

飛行機で東京→八丈の特割並の価格であり、一見高いようであるが、ヘリでこの料金は実は超お得である(※)。これも離島支援のため、国が多額の補助金を出しているためにこの価格で乗ることができるという事であり、大変有り難い話である。ちなみに行きに乗ってきた東海汽船も多額の補助金を貰って何とか経営しているとガーデン荘のご主人が言っていた。

※ヘリはジェット機と同じく、操縦士と副操縦士の二人で操縦をするため、人件費がかさむ。そのくせ乗せられる乗客はたった9人なので、この価格は超お得と言っていい。

今回乗るのはアメリカ製のSikorsky S-76というジェットヘリである。

乗り心地がとてもよく、デザインが優れた機体なので、外国ではVIP専用機としても使われているような高級機種である。

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搭乗時間になると、普通のジェット機に乗るのと同じように荷物検査を行ってゲートを抜け、搭乗ゲートをくぐってそこから直に滑走路に降りて、滑走路上に待機しているヘリにぞろぞろと乗り込む事になる。

このヘリ、厳密に言うとジェットエンジンを搭載している訳ではないのだが、ターボシャフトエンジンと言うジェットに一応分類されるエンジンを二機搭載しており、ローターの爆音以外にも、タービンのけたたましい駆動音が客室の真上から伝わってくるため、中に乗り込むとヘリが発する音以外殆ど何も聞こえない

こうしているうちに出発時刻になり、八丈島→青ヶ島 東京愛らんどシャトル11便は爆音を鳴り響かせながら八丈の地を離れた。

[videopop vid=”1254088887″ vtitle=”テイクオフ”]

離陸したと思ったらあっという間に高度500m位まで上昇し、そのまま時速200km超で一路青ヶ島に向かって飛んでいく。

流石、乗り心地の良さが売りであるヘリだけあって、ヘリ特有のふらふらとした揺れは殆ど無く、ローターの振動が座席経由で尻に伝わるのを除けば、大変安定したスムーズな飛行をしてくれる。

20分弱真っ青な黒潮の上をひたすら飛び続け、もやの向こうに青ヶ島がぼーっと見えてきたと思ったら、あっという間に島の上空に差し掛かり、左にターンしながらぐんぐん高度を落とし、ヘリポートに滑り込むように着陸して到着。

[videopop vid=”1254088847″ vtitle=”ようこそ青ヶ島”]

到着すると、何せ5分しか着陸時間が無いものだから、人と荷物を大急ぎで降ろして八丈行きの人と荷物を載せてすぐ出発する。

青ヶ島にとっては外界とのまともで信頼性の高い唯一の交通手段であるため、島の人間は殆どヘリを使っての移動をするらしい。なので人の出迎えや見送りや荷物の受け取りのために、ヘリの到着時間前後は、島の人口の1~2割がヘリポートに集結する騒ぎとなる(ちなみに人口は170人程度なので17人集まれば1割だ!)。

ヘリの出発時は、駐在さんを含め、皆で手を振って青空に消えるヘリを見送る事になる。

[videopop vid=”1254093083″ vtitle=”さらば外界からの使者”]

ヘリを見送った後、恐ろしい僻地に取り残されてしまったような絶望感に似た感情に襲われたのはきっと気のせいに違いない。

宿のおかみさんがヘリポートまで車で迎えにきてくれていたので、もう一人ヘリに同乗してきた観光客と共に車に乗り込んで宿へ向かう。

おかみさん曰く、何でも休祭日は新聞を取りにヘリポートに来ないといけないので、ヘリが飛ぶ休祭日は必ずヘリポートまで来るそうで。平日は、村役場に各家用の新聞受けポストがあるのでそこに取りに行くらしい。

ちなみに、おかみさんは華恵さんに良く似た長身の綺麗な人でした。姉妹だと言われたら信じちゃうな・・・って位・・・

駐在さんがヘリポートに乗り付けていた、島で唯一のパトカーはジムニーシエラだったが、後で車を借りて島内を走り回ったら、何でこの車をパトカーに採用しているかよーくわかった。

なお、ナンバーが品川なのは、伊豆諸島のナンバー管理の管轄が鮫洲だからだそうだ。

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宿に到着して荷を降ろしてから、とりあえず近所を散歩してみる。

集落は島の北側の高地斜面に広がっており、外輪山の外ヘリにはりつくような形で集落を形成している。

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まずは島内に二つある居酒屋のうち一つ。居酒屋「もんじ」。

全然店に見えないのがアレであるが・・・夜になると店付近で酔っ払いがそこらで小便をしていた・・・ので・・・多分営業しているのだと思う・・・

もう一軒は村長さんがやっている民宿の外でやっている居酒屋がある。

3日間ここに滞在して分かったのだが、この島の娯楽はTVを見るか釣りをするか飲んだくれるかの三択しかない。なので居酒屋が二軒もあるし、よろず屋に置いてある酒とつまみの充実振りも中々の物である。

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菊池商店という島内にある二つの店のうちの一つ。

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営業時間が中々ファンキーな事になっているが・・・こういうネタも割り切って楽しむのが離島の楽しみ方である。

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青ヶ島郵便局

島内唯一の宅配便、郵便、送金、保険などを取り扱う金融拠点

大手銀行のキャッシュカードやクレジットカードが使えるATMもあると、中々便利な場所である。

最終日にこのATMに痛い目に遭わされる訳であるが・・・それはまた後の話。

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交通安全運動実施中 by 青ヶ島交通安全協会

「こんな島で交通安全運動?」と笑いたくなるかもしれないが、意外にこの島は交通量が多く、しかも大型車両がガンガン走っているので色々気を使って運転する必要があったりする。

正直松戸近郊と比べても、ここの運転は変な意味でテクニックが要ると思った。

ところで運転免許はどこで取るんだろうか?八丈にも教習所はないみたいだし・・・

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過疎が進んでいる離島のお約束として廃墟化した建物も点在している。

その廃墟の中を水鳥がほっつき歩いていたりする。

潮風のせいか、コンクリートの劣化が激しいみたいだ。

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東京電力青ヶ島火力発電所

昭和34年まで電気、昭和54年まで水道が無かったと言う青ヶ島であるが、今では立派な火力発電所ができており、電気・ガス・水道の三つの基本的なインフラ供給には何一つ不自由しない島となっている。

ちなみに、昭和30年の正月には天候不順により月一回の定期船の欠航が連続し、石油や家畜用の飼料や野菜や調味料が底をつき、当時の村長が「物資が底をつき、旧正月も過ごせ無い状態だ。このままだと飼料不足で家畜が全滅する。」と救援を求める電信を本土に打ち(当時は電池を使ってラジオと無線機は稼動させていたらしい)、この窮状が本土の新聞で報道された事により、募金が募られて飛行機で救援物資をパラシュート投下して貰って危機を凌いだとか。

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そんなサバイバル感全開であった青ヶ島であるが、今ではこの通り平和その物、毎日ヘリは来るわ、船は来るわ、街灯なんていうハイカラでモダンで贅沢な設備も集落部には完備している。

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青ヶ島はやはり離島振興の補助金の関係もあってか自民党一色であった。なお八丈は幸福実現党との二択だった。

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とりあえず・・・誰が大井町まで演説会を聞きに行くんだ?という野暮な突っ込みは禁止である。

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島内随一のよろず屋「十一屋商店」。食べ物や日用雑貨、釣り用のオキアミなどはここでほぼ揃う。

「じゅういちや」が正確な屋号の読み方らしいが、島の人は「といちや」と皆呼んでいるらしい。

闇金みたいな響き(10日で1割の金利=十一=トイチという隠語があるため)であるがここのおばちゃんは、とても気さくでいい人であった。

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で、トイチ・・・あわわ十一屋の向かいにあるのが島唯一のガソリンスタンドと自動車整備工場。

十一屋でオキアミと氷の手配についておばちゃんに相談し、歩きで港まで行けないかと聞いたところ「全周9kmの島だけど、この島の道はなめない方がいい、第一今は道が崩落して徒歩は絶望的だからレンタカーを借りなさい」との事。確かに後で島を一周して、おばちゃんの言っている事が正しい事がよく分かった、本当にこの島の道はかなりヤバい

この十一屋商店と自動車工場とガソリンスタンドは全部一族経営でやっているようだったが、実質この島にはまともな商業施設がここしかないので、島の商業を牛耳っている一族と言えなくも無いような気がした。ま・・・この島の島民自体が大家族みたいな物だし、とにかく商売っ気が薄い土地であると同時に、店や工場をやっている理由が「自分がやらないとみんなが困る」といった辺りにあるような気がした。とにかく社会的地位とかステータスとか損得勘定自体がこの島には全く欠落しているように思われる。要はみんなで島で生きていくための仕事を分担してやっています程度の感覚なのではないだろうか。それは郵便局や自動車工場なども同じような雰囲気であった。

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更に道なりにテクテク歩いていくと、妙に豪華な建物が目に入る。

目を凝らしてよく見てみると「青ヶ島村立 青ヶ島小中学校」と窓に手書きで紙が張ってあるのが見える。

・・・この島って人口170人程度だよなぁ・・・どう見積もっても小中学生の人口は20人いるかどうかだよなぁ・・・

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更に進むと小中学校の下に謎の施設があった。

中に入って施設のプレートを読んでみるが・・・

和牛・・・・人・・・??センター?

和牛育成の人材育成センターか何かか?と思いつつ施設を見回す。

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設備を見る限り牛の厩舎のような・・・それにしては囲いも何も無い半端な施設だよなぁ・・・

何だこれと思い、再度プレートを見直す

「和 牛 人 工 授 精 セ ン タ ー」 か

すぐ脇に小中学校があるっからって「精」の文字を目いっぱい崩して誤魔化す青ヶ島の恥じらい文化に触れられたような気がした一瞬であった

繰り返します、この施設の名称は

「和 牛 人 工 授 精 セ ン タ ー」 です テストに出るから忘れないように。

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すぐ横に牛の厩舎があって、見事な毛並みの黒毛和牛が一匹つながれていた。

やはり阿蘇山とよく似た二重カルデラ火山だけあって牛の畜産にはとても向いているのだなーと思ったり。最盛期にはこの島には200頭の牛がいたらしい。

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とにかく、この島、夏っぽい写真を撮るには最高です。

今年の本土の夏がグズグズのベタベタでろくな青空を拝めなかったのを一気に復讐する様な勢いの青空と海をそこらの道路から拝めた

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役所や小中学校の集中している一帯は建物の雰囲気が浮きまくっている。

ギザギザの塀、丸い窓やたら高価そうなオブジェやモザイクタイル。ここだけバブル時代の東京都臭がぷんぷんする

予算消化のために目いっぱい設備を大きく作って、特注仕様の小物を至る所につけまくったバブリー設計が、この島の辺境さと相まって異様な雰囲気を醸し出している

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学校の前には島で唯一の信号機が設置してある。もちろん教育目的で設置してある信号だ。

高校の時の神学の先生が奄美大島の出身の人だったが、やはり学校の前に島唯一の信号機が設置されていたと聞いた記憶がある。

離島はこの点、どこも同じようだ。

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ご丁寧にボタン式信号機になっているので、誰かがボタンを押さない限り赤信号になる事は決してない

三日間の滞在期間のうち、車で何度もこの信号は通ったが、一回も赤信号は見なかった。

ちなみにこの写真を撮ったのは祭日だったので旗は一本も箱に入っていなかったが、平日は旗がきちんと入っているのを目撃した。

旗なんぞろくに入っていない本土の信号と比べ、変な意味きちんと仕事をし過ぎだきっと暇なんだろうな・・・

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小学校の隣は図書館であり、ここも恐ろしくゴージャスな作りであった。

開いていれば郷土史などの資料を漁ってみたかったのだが、休日だったので閉館していた、残念。

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小中学校は学校の先生とおぼしき人がグラウンドをローラーカーで整地していた。

それにしても本当に豪華な学校だ・・・

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向かいにはまたまた豪華な保育所も完備している。

本土の保育所待機児童はH20年で1万9千550人いるが、ここではどうやっても待機児童なんぞ発生しないことは保障できる(笑)

宿のおかみさんもそうであったが、この島の労働形態を見るに、保育所なんと言うものは全く不要だと思う。

とにかく島では女性の方がよく働いている。男は・・・女性に比べるとあまり働いていないように見えてしまう。多分力仕事と漁と高い所にある物を取る以外は余り役に立っていないのではないだろうか。

生活・子育て・仕事が一体化したようなアバウトな環境だと女性の社会進出だの何だのといった話以前に、女性が社会そのものであり中核であるように感じた。なので、島では保育所みたいな設備は不要だし、ただの無駄遣いかと。むしろ問題の多そうな港と通信と医療設備に重点を置いた方がいいのではないだろうか。

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保育所の脇にあった巨大な通信用の鉄塔。

これが八丈島との通信をつないでいるパラボラアンテナだそうで、パラボラの向いている先を見ると八丈島がモロに見えるのが大変分かりやすい。

八丈側にも全く同じような設備が双子のように青ヶ島を向いていたのを後で見た。

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~還住像碑文~ 還住像 江戸時代に火山噴火で壊滅状態になった青ヶ島を復興した島の英雄、佐々木次郎太夫の記念碑が学校の脇の坂を上がった所に鎮座していた。

碑文に曰く

天明の大噴火で島人は残らず去り 以後 半世紀にわたる驚くべき勇気 忍耐と協力の闘いで 先人は故郷の島に還り住んだ。
昔も今も 我等が島の若者達は 手を高く挙げ まなじ りを決し 島起こしの船出をする。
明日もまた。
昭和六拾年四月弐拾七日
青ヶ島村

還住ってのがどんな物だったのか調べてみたのだが、これは・・・下手な映画顔負けのとんでもないサバイバル記録だなぁ・・・と思う。

西暦 年号 出来事
1780 安永9 地震が続き、池之沢に火の穴があく。
1781 天明1 噴火、池之沢に岩が残る。
1782 天明2 噴火、降灰のため作物が全滅。
1783 天明3 大地震、大爆発で大池・小池が埋まる。
1784 天明4 1年間災害なし。
1785 天明5

天明の別れ

最大の火山爆発が起きる。 昼でも真っ暗な日が8日間続く。
噴火で家は燃え、畑は灰で埋まり、道は潰れ、人が住めない地獄の火の島と化す。
八丈島からお助け船が出され、203人が八丈島へ脱出し、船に乗り切れなかった残りの130余人は島に取り残され死亡した。
お助け船の積載量や数が足らず、過積載で沈みそうな船にすがりつく妻の手を鉈で斬り落として 八丈島へ逃れたという悲惨な 話が残されている。

1789 寛政1 名主 三九郎ら12人が青ヶ島を調べに戻る。
1793 寛政5 三九郎ら20人が青ヶ島に帰り、うち12人が島に残る。
1794 寛政6 三九郎ら15人、青ヶ島へ出発するが、途中で船が壊れ失敗。
1795 寛政7 一番船、八丈沖で 転覆し、8人が死ぬ。
二番船。8人が青ヶ島へ着く。
1796 寛政8 食料を載せた船が八丈から出るが、黒潮に流され、房州(現在の千葉県)に漂着。
1797 寛政9 三九郎ら14人が八丈から出発するが、紀州(現在の和歌山県)に漂着、三九郎ら12人が死ぬ。
1801 享和1 青ヶ島で8年間復興作業を続けていた7人が復興を断念し、八丈島に戻る。
それから16年間、青ヶ島は無人島になる。
1817 文化14 名主 次郎太夫、青ヶ島に戻る計画を立てて、八丈島の奉行所に計画を提出し、還住事業に乗り出す。
1835 天保6

次郎太夫を始めとした先発帰還隊の十数年間に及ぶ復興作業の末、検地を受けて年貢を納める所まで島の環境を回復させ、青ヶ島の村人全員の還住を成功させる。
「天明の別れ」から50年をかけ、幾多の遭難者や死を覚悟した先発帰還隊の尊い犠牲の上での還住であった。
最終的に男133人、女108人 合計241人が島に帰還。天明の別れを知らぬ八丈島育ちの三世青ヶ島島民が多くを 占めていたのは
還住の困難さを忍ばせるものである。

ここまでして戻りたいと思った青ヶ島が江戸時代にはどのような島であったかという実態を調べるにつれ、この島の隠された側面が色々分かってきたりしたが、それは内輪山方面の土地のレポートと共に解説させて頂きたいかと。

友愛の秘境探索ツアー その7 【治水とエコとパフォーマンス政治の愛憎三角関係】

PB020264

12:31、定刻通り列車は終点大前駅に着いた。しかし・・・本当に何も無い、笑える位何も無い

駅舎もない、改札も無い、駅前には幹線道路も店も無い、民家も殆ど見られない。数百メートル先に見える崖の上に無理やり造成したぽい住宅地が見えるが・・・それ以外に唯一あるのは駅の脇にある温泉宿が一軒のみ。

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何なの、このど僻地は?馬鹿なの?死ぬの?駅がある意味はあるの?

狭い峡谷のどん詰まりなので、線路の左右には山肌が迫っており、峡谷自体の幅も300mちょいあるかどうかといった感じである。

この狭く細長い峡谷の最果てにある集落、それが大前のようだ。

PB020266

改札は無いので、きっぷはこの箱に入れて回収される。

PB020259

右に見えるのが待合室。ちなみに電気がついていないのでかなり薄暗かった。

PB020261

待合室の中はとにかく暗い、そして寒い。ご丁寧にベンチには座布団が敷いてあるが、そんな心配りはどうでもいいから明かりと暖房をくれ

時刻表で帰りの電車を確認してから周囲を散策して昼飯でも取るかと思ったのだが・・・

何だよ・・・このファンキーな時刻表は・・・

えーと次の列車は・・・ってオイ 今乗ってきた列車の折返し運転を逃したら、この寒空の下、17:16までこのど僻地に取り残されるのかよ。ふざけているのかコラ。

この窮地に脳内仲達が孔明が孔明がと喚いて何やら青ざめております。

ええ、見事に瞼ど僻地に誘い込まれましたよ。しかも危うく退路を絶たれそうになったし

言われなくても引き揚げるわい。

という事で即行帰りの切符を車掌から買って電車に乗り込んで電車の発車を待つ事に。

PB020265

いやぁ僅か22分だったけど、いい観光だった。

何も見ていないような気がするけど、多分いい観光地だ。是非とも皆様も一度大前にいらしてください。

だって金と時間を浪費してこんな寒くて無駄な思いをしただけなんて悔しいだけじゃない。せっかくだからみんなも道連れにしてやらないと。

さて、帰るぞ。

PB020002

ま、車窓からの風景は紅葉の山を楽しめて全般的に良かったので負け惜しみ的に吾妻線に乗るのは観光としてはいいのではないかと思う。

[videopop vid=”1260482038″ vtitle=”車窓からの橋”]

かくして川原湯温泉駅に舞い戻り、吾妻線と別れを告げる。

[videopop vid=”1260485924″ vtitle=”さらば吾妻線”]


車に戻って下流方向へ移動。

ここは当初ダムに沈む予定だったのを、地元住民の圧力で沈まない事になったという景勝地らしい。

エコっぽいダム建設反対団体の主張では、ダムができれば川の氾濫が起きなくなる事によって渓流を構成する岩がコケに覆われて景観が大きく損なわれるそうだが・・・

上からは目一杯カメラでズームしても岩なんぞ見えねーよ

もう一つ言っておくと渓谷に降りる階段は施錠されており、一般人は降りられないので(もし降りても道などが整備されていないので非常に危険)、下の方の景観云々は論ずる意味は殆ど無いと思う。

つかコケがあろうが無かろうが大して景観に影響しない事を、この周辺を歩き回って確信。

この一帯は枝葉が茂っていて川面なんぞ上からは見えないのは少し歩き回れば分かるはずなのに・・・

つか、地元民以外の部外者で構成される反対団体の皆様が現地をろくに歩き回っていないor現実を意図的に無視している事がよーく分かった。

そして、地元民の方々がこの景勝地をダムに沈めることを反対し、ここが沈まない事で妥協した理由も良く分かりました。

そもそも、土砂がダムに溜まって河川を流れる土砂が減って下流の海岸が侵食されるとか、ダムに藻が繁殖して景観を損なうとか、生態系への影響だの最近のダム技術やこの川の実態を無視した主張を繰り返している辺り、この手の団体の主張はどうもダム建設反対ありきで、あれこれ理由を粗捜ししているようにしか見えない。(土砂抜き技術や藻の繁殖を抑えるフラッシュ放水技術や元々生物の住めない川であったという実態を無視している点からしても、科学技術的にアレな主張が多い)。

まぁつまる所、緑豆海狂犬みたいな連中のお仲間にしか過ぎないって事なのだろうか。

このエコな団体の方々は、「ダムの代わりに植林による保水効果の向上(通称緑のダム)や堤防の強化や川底の掘削で川を深くすればいい。だから無駄なダムの建設反対」と言っているようだが、それらの方法を調べた限り、現実はそんな簡単ではないようだ。

まずは川底を掘る方法だが、これは問題が大いにある。

・流域全体の広大な面積を掘り下げないといけない。

・半端ない量の掘削した土砂が生じるため、土砂の処分に膨大なコストがかかる。。

・川が深くなる分、川に架かっている全ての橋の橋脚を延長・強化しないといけないため、膨大な量の工事が発生する。

・下手に部分的に掘ると未掘削の地域の氾濫被害の集中や土砂の集中的な堆積を引き起こす危険性がある。スライド1

という事で、流域全体に手を入れるとなると恐ろしい手間とコストがかかることが分かると思う。

じゃあ、堤防を高くすればいいじゃないという話になるのだろうが・・・これもまた難しい。

・堤防を高くする=堤防の厚みを増さないと強度を保てない

・流域全般の補強工事をした箇所のみ効果が出る

・堤防の厚みを増す=流域の用地買収が必要になる

・下流地域の用地買収にはダムよりも遥かに膨大な資金が必要になる(数兆円単位)

・全部の橋を架け替える必要があるので、これも膨大なコストと手間がかかる


スライド2



スライド3

ならば最近民主党が喚いている「緑のダム」はどうか?

これは戦後植林した杉・ヒノキの針葉樹林を伐採してブナナラなどの雑木林に戻し、山の保水性を高めて治水をしようという案であり、一見良さそうな案に見える。が、これもそんなに万能なやり方ではない。

・山の保水能力は巨大なスポンジにシャワーで水を振りかけて吸わせるのと同じであり、山に水を吸わせるには時間がかかる。なので小雨は効率的に吸えるが豪雨に見舞われると山の表層部がすぐに飽和状態となって水をなかなか吸わなくなる。

・飽和状態になった表面に豪雨が降り続けると、水は表面を流れて川に流れ込んでしまう。さらにこの状態が続くと表面が土砂崩れを起こし、大量の土砂も川に流入する。つまり、長雨には有効でも豪雨には無力であると言える。

・ダムと違い、水門のような調整機構を持たないため、人間の都合に合わせた制御ができない。

・保水能力が地質や断層などの色々な条件によって左右されるため、定量的にどの程度の治水効果があるかを算出しづらい

・そもそも雑木林の治水効果がそれほど高ければ、昔の日本で氾濫や水害が頻発していたことの説明ができない。

・針葉樹林についても、今後の新興国を中心とした木材需要の増加や環境保護の点からの木材の輸出規制の流れの中で、国産木材のニーズが高まる可能性は十分あり、雑木林に戻すべきかどうかは総合的な視点から十分な検討が必要である。

まー調べて分かったのは、どの方法にしても一長一短で完全な治水方式というのは無くて、色々な方法を組み合わせてお互いの弱点を補完して初めて治水というのは成り立つという事であって、ダムにしろ堤防にしろ緑のダムにしろそれらの要素の一つにしか過ぎないということである。

特に日本は以下のようなややこしい利害関係や治水のリスクや水需要の事情が重なり合っており、簡単に「ダム建設をやめよう」で全てが良くなる訳ではないと思う。

・日本の治水というのは土地が山がちで河川は急流で地盤がもろく、世界的に見てもかなり特殊かつ難易度が高い環境のため、様々な治水技術を組み合わせて水害のリスクを低減せざるを得ない。

・利水というのは山奥のど僻地では貴重な産業である。なぜなら国の不動産であるダムの固定資産税が地方自治体の貴重な税収になるためである。

・関東の水源は多摩地方が地盤沈下や水質汚濁のリスクの有る地下水の利用で凌いでいる状況を見ると十分とは言い切れない状況である。関東の「水余り」に対する指摘も、水需要が伸び悩んでいるように見える理由に「工場などの節水の徹底」「水道管からの水漏れの撲滅」がある事を考慮していない。

・このため、節水と水漏れ撲滅が飽和点に達すれば再び水需要が伸びだす可能性は十分にある。

・日本の川が多く流れ込む平野の下流地域は工業地帯&人口密集地帯であり、水害が発生した際の被害額とリスクがとてつもなく大きい

古来の日本においては、川の流れが氾濫によって頻繁に変わり、木や土砂で自然生成された堰の決壊による鉄砲水と呼ばれる急激な洪水で流域一帯の農村が壊滅的な被害を蒙っていた。さらに川の流れの変化と激しい川の流量の変化+水を大量に消費する水田という組み合わせのため、取水をめぐって村同士で殺し合いにまで発展するということがあった。近年においても、利水を巡っての紛争は起き続けており(信濃川のJRの発電所の不正取水事件など)決して利水問題は過去の問題ではない上に、水害は全国で毎年数千億円~数兆円の被害をもたらしており、感情論以前に費用対効果という物を考えないといけないのではないだろうか。

その点を考えると八ツ場ダムは工事を止めるのはあまりにも微妙なダムという気がしてならない。10年・・・・せめて10年早ければ止めるメリットもまだあったのだろうけど、ここまで資金を使ってしまった段階で止めて戻ってくる資金と失う物のバランスがどうにも悪いようにしか見えない。(一帯のゴーストタウン化、地元の地方自治体の財務への悪影響、今後流域で水害が発生した場合の責任問題などなど)

どっちにしろ、このダムの中止は民主党のパフォーマンス・・・と左巻きなエコテロリストの「俺、権力と戦ってカッコイイー」の自己満足の集大成なんだろうなぁ・・・

という事を考えさせられるダム見学ツアーでありました。

最終日はおまけみたいな物だけど、谷川岳方面で色々珍しいものを見てきたのでそれの報告を~


(蛇足その1)結局吾妻線を降りた後にとった遅めの昼食

下流方向にある蕎麦屋「もみぢ茶屋」で、はるか遠くの山肌で作業をしている重機を眺めつつ遅めの昼食をとる。

結構派手に山腹で護岸工事を行っている。

蕎麦は細めでコシがあって結構いい蕎麦でした。

そば粉と上新粉で練った小さな饅頭も美味かったです。

そういや、今年は長雨で蕎麦が大凶作らしいので、来年は美味しい蕎麦を食べるのは難しそうですねー。

(蛇足その2)

八ツ場ダムの工事費用は4600億円。

そして小沢一郎の地元の胆沢ダム(通称「小沢ダム」)の工事費は2440億円、しかも西松建設の汚職付きのダム。

鳩山政権の途上国支援のばら撒きのうち、アフガニスタン枠で八ツ場ダムIMFの融資枠で胆沢ダムが作れると考えると、きちんと公正に活用される可能性のかなり低いアフガニスタン支援枠よりはましな事業に思えて・・・

(-_-;)友愛されそうだからこの辺りにしておこっと。


民主風刺8

八丈島~青ヶ島 最果ての秘境ツアー その4【税っ海の孤島】

さて、突っ込みどころ満載な教育施設を見物した後、更に坂道を登って高台の一体をウォッチングしてみる事にする。

東京などでは、高台=見晴らしの良いいい土地という扱いであるのだが、この島では逆に「港から遠く、風雨に悩まされる場所」という扱いなのか、集落は専ら海岸線近くに作られており、高台には水道設備と電波塔と墓しかない。

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現役の墓石には、他では見られないような極彩色の南方の花(見たところハイビスカスや朝顔のようなヒラヒラ極彩色系が中心)が供えられており、本土の墓のような湿っぽさとは無縁の雰囲気である。また、ちょっと外れに行くと今では供養する者もいない朽ち果てた墓が並んでいるのも特徴である。

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個人的には今回の旅のベストショット。

看取る者もいなくなり、朽ち果てた墓の向こうにある朽ちた木と、間に咲く彼岸花と、どこまでも蒼い海と、空の組み合わせがこの島の過去と今を語っている。

多分この風景は、数百年前から何一つ変わっていないのだろう。

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更に島の上の方には何やら大掛かりな施設があるようだったので、そのまま登ってみる。

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あったのは島の簡易水道設備。

雨水を溜め込んで浄化して各住宅に水を供給するのを目的とした設備である。

簡易と言いつつも、ヘリの上空からも集水のためにコンクリートで固められ、特殊ペンキで緑色に塗装された島の斜面が異様な光沢を放っていたのははっきりと確認できた。

実際に設備に近づいてみると、その巨大さに、ただただ唖然とするしかない。

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斜面に作られた巨大なウォータースライダーで雨水を集めて貯めていると言えば、分かるだろうか?

なお、この設備の頂上にはNTTの携帯電話用とおぼしき中継局があった。

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頂上から見るとこんな感じ、雨の日に滑り落ちるとさぞや爽快だろうが、やったら間違えなく下にある貯水タンク設備に激突して死ぬので、良い子の皆さんは決して変な気をおこしてはいけません。

簡単な鉄条網だけの簡素な仕切りに、子供が無謀なチャレンジをしないかどうか不安だ・・・

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次に、給水タンクの脇に尾山展望台 へ通じる脇道があったので、見物に行ってみる。

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ちょっと草道を歩いて行くと、その先には、とても金をかけて整備されたと思われる展望台施設や道が広がっており、あまりのバブル時代風設計に呆れて開いた口がふさがらない

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しかも良く見ると足元にライトが埋め込まれており、夜間は星を見る観光客向けに足元がライトアップされるという・・・

悪いが、この島にシルバーウィーク中に訪れた観光客は4人、いずれも一人旅の自分みたいな変人や離島マニアみたいな人か、火山の脇でキャンプをしていたバックパッカーであり、この設備を使うような人種は一人も居なかった事は間違いない

なお、この島の年間観光客数は200人程度。平均一日0.6人いるかどうかの島なので、4人も観光客が居たと言うのは、年間平均の6.5倍の集客密度であり、シルバーウィークに相応しい満員大御礼の数字であった事を付け加えておく。

また、後で述べるが、夜中にここまで辿り着くのは、かなり命がけの移動をこなす必要があり、物好き・命知らず・ダメ観光スポット好き、という三つの要素を満たして初めてここで星を眺める事ができるという大変難易度の高い観光スポットであり、自分には命知らずという要素が欠けているため、夜に来る事は無かった。

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この・・・ステンレスのポールのようなオブジェのバブル時代の東京都庁的なデザインセンスと無駄設備の全開っぷりにも心底痺れまくりである。

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これらダメオブジェの本土での制作費と輸送費、建築費がいくら要したかは・・・・

考えちゃダメだ、これは芸術なんだ、感じるんだ。

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もう、ダメポ設備にはうんざりなので、展望台からは島を一望してみる。この島の特徴的な形が良く分かる。

島の外郭が険しい山で360度を囲まれ、内側に広い平地があり、中央に小さな火山がある。

実はこの地形が、他の伊豆諸島や離島とは異なる青ヶ島特有の気候条件や環境を生み出している。天明の大噴火後に、半世紀をかけ、命がけでこの地に島民が戻ろうとした理由もここにある。

八 丈島もそうであるが、伊豆諸島の火山島の生活においては、火山島特有の切り立った沿岸部の地形により、良港に恵まれない島が多く、外界との往来の難易度 が高いのに加え、川がなく水が乏しいので畑作しかできない。更に台風や冬の暴風が絶えない天候など、気候が激しく、嵐が来ると潮を含んだ激しい風雨に晒され、畑の作物がすぐダメになるという悩みがつきまと う。つまり天候不順=不作=漁にも出れない=外界からも孤立⇒飢饉という生活基盤の脆弱さを昔から抱えているわけである。

しかし、青ヶ島は外輪山によって周囲を囲まれているため、内輪山付近に畑を作れば、風雨、特に風と潮の被害を避けられるため、一年を通じて温暖な常春の気候の中で作物を安定して育てられる。しかも他島に比べ、カルデラ内部に広い平地がある上に、火山灰質の柔らかい土が耕作に向いているため、離島の農耕地としては非常に恵まれた条件を備えている。

実際に青ヶ島は江戸時代には「飢饉と疫病と無縁の島」と呼ばれていたらしく、芋や麦や陸稲といった穀物や野菜や果物が年中採れ、魚も炭も自給できるなど、江戸時代の生活基準から言えば、楽園のような島であったようだ。ただし、水源が乏しかったため、あまり風呂に入る習慣は無かったようだが・・・・。

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青ヶ島と似たような条件を抱えていた島としては、Part1で少し紹介した八丈島のすぐ隣にある八丈小島が挙げられる。あちらは、地形の険しさと周囲の潮の流れの厳しさを利用して、流人が更に八丈島で罪を犯すと送られる重流刑島として使われていた(何でも筏や小船では脱走不能という激しい海流条件が重流刑島にふさわしかったとか)。

昭和44年には島民の高齢化と蚊を媒介とした風土病の蔓延、潮をかぶりやすく農業に向かない土地と、島内の移動にも苦労する険しい地形、外界へのアクセスの悪さという地理条件から島を捨てて無人島になってしまったらしい。

しかも、島に残された家畜のヤギが野生化して異常繁殖してしまい、草を食い荒らして島が殆ど禿山のような状態になってしまい、それに伴う土砂の流出や付近の漁場の汚染といった環境問題に発展。とりあえずヤギを殺して駆逐しようという話になりかけたが、緑豆海狂犬か知らんが動物愛護団体が猛クレームを入れてきて頓挫、なら、てめーらが愛護精神を発揮して、捕獲して保護して里親なり引き受け先を探すなりやればいいではないか、という話になる訳だが、その段になると「アーアー聞こえないー聞こえないー」になるのが、この手の団体のお約束である

結局この動物愛護団体の主張につきあって費用を出したのは八丈町、元々山岳地帯に生きる生き物である山羊は、この島で完全に野生に戻ってしまい、後脚が異様に発達して崖のような斜面をぴょんぴょん跳ね回るようなカモシカのような生き物に進化というか先祖返りしまっており、漁船程度しか接岸できず、車も乗り入れられないこの島での捕獲作戦には多大な費用(一匹一万円の賞金をつけて猟友会の人間に追い込ませて投網で絡めて捕獲したらしい)と労力を要した末、ほぼ全部を捕獲したとか・・・

しかし、問題は更に続く。捕獲した山羊をどうするかである。元々家畜であった訳だから、家畜として山羊を飼っている所に無料であげればどうだ、という話になり、山羊料理で有名な沖縄の牧場に打診してサンプルとして山羊を送った。

で、沖縄の回答

「イラネ」

どうもこの山羊は野生に戻りすぎて肉はガチガチだしスジだらけ、まぁ煮ても焼いても食えないと・・・

今では町営の牧場や農家への貸付をしているらしいが・・・まぁお荷物であるには違いないとな・・・

で、山羊って臆病でストレスに弱い生き物らしく、移送中や捕獲中にショックでバンバン死んでしまったらしい。それをまた動物愛護団体が虐待だの虐殺だの何だの喚いているとか・・・山羊以上に煮ても焼いても食えないのはお前らだと言いたいのは自分だけであろうか

とまぁ以上はガーデン荘のご主人から聞いた八丈小島の話などをまとめた物であるが、周囲が切り立った小島なんというものは、ひたすら過酷な生活環境であるし、狭い分、生態系の破壊や天災で即窮地に追い込まれるというのが普通であり、青ヶ島みたいな飢饉知らずの島と言うのは大変珍しいと言える。

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ということで、もういい加減東京都謹製のダメスポット巡りはお腹一杯なので、山を降りて集落に戻ってみる。

集落の中に地の焼酎「青酎」の工場の看板が見えたので、坂を降りてみると、島らしい風情の建物が残っていて、やはりこういう味が無いと島じゃないよなぁと改めて思う。

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焼酎工場は「作っている所を見ると飲みたくなくなる」というレベルのアレな作業場だと聞いていたので、期待して行ってみたのだが、H19年に山村振興等特別対策事業の助成金を受けて一億九千万円をかけたとても綺麗な工場に生まれ変わってしまっており、自分的には残念な結果になっていた

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工場は休日だったので閉まっていたが、採用されているエアコンは三菱製の重塩害対策タイプのMr.SLIM。この島で空調機器の保守とか故障で呼ばれたら、たまらんだろうな・・・

ちなみに年間を通じて湿度が70%を超える土地なので、クーラーか除湿機が無いと家や服や布団がカビまみれになって地獄を見るとか。

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工場の隣には薩摩芋畑が広がっていたが・・・この島の畑は、空き地なのか畑なのか一見して区別が付かないアバウトさ全開なのが特徴である。特に集落近くの畑はビニールハウスが朽ちるままに放置されていたり自然に戻りかけていたりと・・・自家消費分を作るのが主であるせいか、本土のびちーっと整備された畑と比べると何だか凄い温度差を感じる。

百億円単位の税金の海に浮かぶ島という面と、中世から変わらない黒潮の中に浮かぶ絶海の孤島と言う二つの顔を持つこの島、観察すれば観察するほど個性的で突っ込みどころ満載である。

ということで、集落付近の観光は終えたので、次は昼食を取りに宿に戻ってから釣りをしに港に向かう途中に見た、内輪山内部の色々狂った自然環境と道路、そして多分日本一無茶をしている港の突っ込みレポートをお送りします。

友愛の秘境探索ツアー その8 【谷川岳は友愛で仕分けされました】

11/3 【渋川→谷川岳近辺某所→新潟方面】

さて、最終日は谷川岳近辺の某所でとある凄いスポットがあるとの話を聞きつけ、朝から車を飛ばして晴天の渋川から20kmちょい北上したのだが・・・

どうしてこうなった。

いやぁ渋川から出発した時はこんな感じだったから油断していたんだけど・・・途中でバンバン雪が降ってきてねぇ・・・

[videopop vid=”1261664029″ vtitle=”雪が・・・”]

でも積もっていないし凍結もしていないから行ける行けるって調子に乗って走っていったら・・・

道中で狸が轢かれてのし狸になっていたし・・・犬猫じゃない辺りが流石キング・オブ・関東平野最強ど田舎群馬だと・・・

と田舎ぶりに感心しながら走っていると、空がヤバいヤバい、風がヤバいヤバい、行ったはいいが帰ってこれないというオチは無しだよなーと思いつつシートヒーターのスイッチを入れる。いやぁ冬季装備モデルだから寒い時は本当に助かるわ。

あ、でもスタッドレスは履いていませんので・・・ええ。

ゴール3km手前辺りから本格的に雪が積もってきてかなり怖かった・・・でも引き返すのも悔しいので4駆に切り替えてそろそろと走り抜ける。

そうして、目的地の谷川岳山麓の某所に到着した訳なんだが・・・

寒い・・・そして誰もいない・・・

そう・・・ここは

ここは日本一のモグラ駅「土合(どあい)」

通称「日本一のモグラ駅」と呼ばれるのは、駅舎から地底のホームまで、何と徒歩で10分以上もかかるという鬼畜な構造であるためである。

当然とんでもなく長い地下道の階段を下りて地の底に降りなければならないのだが・・・なぜだか鬼畜な位置にある地下ホームは下り線のみの運行となっており、上り線は駅舎を入ってすぐの所にある地上ホームに入線してくる。

当然、今回はこの鬼畜極まりない地下ホームを見物に来たわけである。あと、どーせ暇だからそのままちょっくら電車に乗って新潟方向を見物して来ようというのが目的だったりする。

[videopop vid=”1261664062″ vtitle=”土合駅”]

駅の中は滅茶苦茶寒いです。暖房なんぞ入っておりませぬ。当然無人駅です。

ましてや朝一番にこんな所にやって来るアホタレは当然自分しかおりませぬ

設備も何となく錆びていてボロくておどろおどろしい・・・

[videopop vid=”1261664110″ vtitle=”地の底へ・・・”]

薄暗い廊下を潜った先に、地底70m余りへ一気に降りる物凄い階段が一直線に伸びている。

写真では明るく見えるが、実際はかなり暗い、そして地底よりトンネル内部の風の反響で「うぉぉぉんぐぉぉぉぉん」というおどろおどろしい音が響いてくる。脇にある側道には融けた雪が水になってチョロチョロと流れ落ちている。

まぁ何だ、誰もいないなかここを降りていくのは物凄く寒々しい、孤独に弱い人なら途中で心が折れるんじゃないか?ってくらい絶望的なまでの孤独を味わえる

[videopop vid=”1261664319″ vtitle=”階段を降ります@5分”]

↑は実際にカメラを持ちながら降りてみた映像だが、急いで降りて5分はかかる。とにかく長い、そして映像を見直すと酔うw

※動画は飛ばしながら見ることをお勧めします。

そして、地底ホームに到着。

こんなモグラ看板が迎えてくれた。

下から階段上方向を撮影するとこんな感じ、本当に凄い光景だ。

もちろんホームには誰もおらず・・・

歩くとコツーン コツーンと足音がホームに響き渡る。

[videopop vid=”1261664522″ vtitle=”反響が凄い土合駅構内”]

試しに思いっきり足を踏み鳴らしてみたら・・・

コーン コーン ォォーン ォォォォン」

凄い音響効果だなぁ(゚□゚;)・・・コンサートとかやったら凄いんじゃないか?ここって。

ホームには待合室やトイレもあった・・・まぁトイレが無かったら上の駅舎まで戻れって事だから真の鬼畜駅になるだろうな。

そうこうしているうちになんかホームを吹き抜ける風が激しくなってきてやかましくなってきた。

「グゥォォォォォォォングゥォォォォォォン」という音が遥か遠くから風の音に混じって聞こえてくる。

はて?まだ次の電車の来る時間じゃないよなと思ってトンネルの奥を伺っていると、トンネルの奥にライトの光が見えてみるみる大きくなって来る。

ゴォォォォォォォーズゴォォォォォ(゚口゚ という轟音にホームが包まれたと思ったら↓こんなのがホームに突っ込んできて走り抜けていった。

[videopop vid=”1261664433″ vtitle=”貨物列車”]

なんというか・・・・おっかない所だ

[videopop vid=”1261664612″ vtitle=”定刻通り客車が入線”]

そうして定刻どおり、新潟方面の列車が入線した。

東京方面からの登山客なのか、意外に降車客が多い。

木の背負子を背負った年配の登山客らしき人も混じっており、なかなか渋かった。

かくしてモグラ駅を出発した列車は延々トンネルを10分程走り、トンネルを抜けた瞬間銀世界に。

[videopop vid=”1261664662″ vtitle=”すっかり雪の車窓”]

先まで行ってちょっと見てきたけど笑えるくらい見るものが何も無かった・・・スキー場のある越後湯沢辺りはまだまだ降雪が足りないようでスキー場もまだ開いておらず、他に道中観察できたのは、

雪・川・山・田んぼ 以上

でも、この一帯は、流石米所だけあって、群馬より遥かに水にも平地にも恵まれているなー。

で、そのままバックして土合駅に舞い戻り。

[videopop vid=”1261664713″ vtitle=”土合駅下車(上り方向ホーム)”]

発車時の車掌さんの律儀な挨拶振りがええです。

何だかんだ言って、土合駅の地下ホームが今回の旅で一番面白かったような気がする。自分は旅は非日常を楽しむものだと思っているので、こういう所が一番いい。

で、この後谷川岳に行ってロープウェイで上に登って尾根を散策してみようかなーと思ったのだが・・・

駐車場代が観光地価格でムカついたので、事業仕分けの結果登山中止。

ご丁寧に周囲数キロの範囲は駐車できそうなスペースは全部取っ払われていたし。

まったく、商売っ気が強い観光地はどうも好きになれん。

[videopop vid=”1261664832″ vtitle=”冬になりかけの谷川岳”]

でも、帰りがけの雪をかぶった紅葉の林は綺麗だった。

まー今回も色々おっかない場所やドキドキもんのスポットを巡れたけど、一番怖かったのは。

三郷で高速を降りた時点でのガソリン残量だったね。

良い子のみんな!外環はガソリンスタンドが無いって事を忘れずに! :evil:

(おまけ)

帰り道に地場のスーパーに寄って、や地場の太うどんや野菜や肉を購入~肉も野菜もめちゃくちゃ旨かったわー

観光用の即売場や道の駅みたいな所よりダントツにいい物が安く手に入るので、この手のスーパーはお勧めです。

八丈島~青ヶ島 最果ての秘境ツアー その5【待て、それは孔明の罠だ】

内輪山~港方面に行く前にちょっと宿の事を。

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今回泊まった宿は、増築してきれいになったという評判のあじさい荘という民宿。

これって綺麗だけど・・・民宿じゃないよな・・・東京のヘアサロンみたいだ。

この島の建造物は「離島青ヶ島的 風化コンクリ建築」「昭和末期的 公共バブル建築」の二大勢力で占められているのだが、この建物は第三の勢力・・・「代官山的 おされサロン建築」とでも言えばいいのだろうか・・・。なのでこの一帯だけ周囲の枯れっぷりから大いに浮いており、バブル建築とは別のベクトルで異彩を放っている

とにかく建物のセンスや設計が完全に島の物ではない。島の建物は風雨や嵐対策に窓や扉を極力小さく作ったり、海に向いた方向にはベランダや大きな窓を作らないように工夫しているのだが、そんな島の知恵は全力無視してデザイン重視を貫いている

どうも話をしていて気づいたのだが、おかみさんはどうやら本土の人ぽい。

作る料理が島で採れる物を殆ど使っていないし、魚は捌けないみたいだし、食材は船で八丈や本土から仕入れているらしく、先週の台風の影響でここしばらく船が入ってこない事に随分ストレスを感じているようであった。

ガーデン荘の地の魚と裏の畑の野菜を主力とした献立とは随分違うなーと思ったり。

よくよく見ると宿の入り口の脇にお洒落な雑誌ラックが あって、本土から取り寄せたぽいOZ Magazineとか女性向け情報誌やお洒落系女性誌がざっくりと入っている。しかもきちんと九月号だ。昼も夜も別に島民の女性の溜まり場って感じでもなかったので、これら雑誌の読者はおかみさん一人である事は間違えないだろう。

気持ちは分かるけど無駄な抵抗だと思う

どうあがいても、ここは 絶 海 の 孤 島  青 ヶ 島 ですよ(生暖かい目)

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部屋もこんな感じでとっても綺麗、全然島っぽくないぞ。綺麗なのはいい事だが・・・何か違和感を感じるのも事実。

しかし・・・東京出身の女性にとってはお洒落な雑貨屋やブティックはもとより、ヘアーサロンも本屋もデパートもマルイもユニクロもしまむらですらも無い場所というのは地獄だろうなぁ。ちなみに美容室は八丈に行けば有るみたいだが・・・・車で一通り回った感じ、田舎の美容室風の所しか見当たらなかった・・・とにかく島はお洒落とは全く縁の無い土地だと言い切れるかと。移住したい人はその点はお覚悟を。

何となく表情や口調に鬱積した物を感じたのは自分の気のせいでなければいいのだが・・・ま、島の女性はご年配になればなるほど諦めの果てを越えて明るく快活な方が多いように感じたので、時が解決してくれる物と信じたい。

しかし、お子さんが高校生になれば八丈か本土に進学するしかないから、それに付いていって島を出る事もできるのだろうけど、このお洒落民宿を増築してしまった事が足かせにならない事を祈るばかりです・・・はい(-_-;)

宿の事はこの程度にしてと、午後は釣りを少しやるつもりだったので、宿で氷と餌の入手について聞いてみたら、氷は島の物流センターにあるから、現地に置いてある帳簿に宿の名前を書いておいてくれれば後で清算しておく、との事。餌は十一屋で売っているとの事。

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と言う事でまずは物流センターに行ってみたのだが・・・・

何か風化感にあふれたコンクリ倉庫みたいな建物で・・・看板の文字が風化して殆ど消えている。

扉はもちろん施錠なんぞされておらず、「台風対策」とマジックで殴り書きされたバルサ材の木がつっかえ棒として挟まれていた。

基本的にこの島は公共施設と郵便局とお店以外はどこも鍵なんぞかけていないので、ドラクエみたいに、そこらの民家や施設に普通に入れる

でも、引き出しを漁ったり壷を割ったりしたら、当然のことながら駐在さんにしょっぴかれるのでやめましょう。

ガーデン荘で離島好きの先生から聞いた話では、三十年前に青ヶ島に赴任した先輩の教員から、村の衆と喧嘩になって腕の骨をへし折られたという話を聞いたので、青ヶ島はちょっと行く気が・・・という事だった。なので、駐在に突き出される前に村の衆にカジキマグロに止めを刺す要領で集団リンチされるドツかれるような気がするけど、試したい人はチャレンジしてみてください。命と骨の保障は出来ませんが

で、流通センターの中がね・・・暗いわ、錆まくってるわ、妙な臭いがするわの廃墟感全開の雰囲気。入って右手に製氷機があったので空けてみたが、空っぽ・・・・というか電源が入っていないし。

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左手に「貯氷室」なる頑丈そうな煤けた扉があったのでごっついロックを解除して開けてみる。

ギリギリギリと軋み音をあげながら扉が開くが・・・中が真っ暗で全然見えない。

部屋は冷凍倉庫になっているらしく、かなり冷たい。暗闇の中に何かダンボールらしき箱があるのがぼんやり見えたので蓋を開けてみる。中にはゴルフボール程度の大きさの正体不明の物体がぎっちりと入っていたが、暗くて何だかは分からない。触ってみたらずいぶん軽くて表面がライチのような手触りであった。

奥にも何か色々あるようであったが、真っ暗で何も見えないし、明かりも無いし、正直入る気が全くしなかったので、ここでの氷の入手は諦める。

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つか迂闊に中に入って扉が閉まったりしたら、ここいらの通行頻度と人口密度を考えると確実に冷凍人間になって死ねるし。

しかも雰囲気自体が写真で伝わってくるより十倍はおどろおどろしく、下手な心霊スポットより薄気味悪かった

ちなみに、氷の持ち出し帳簿は壁に掛かっていたけど・・・凄くボロボロの年季が入った帳簿用紙がバインダーに挟まれていた。もしかして誰も使っていないとか?

この辺りの雰囲気はホラー映画の一本や二本は作れそうな位きつかった。この風化した雰囲気は東京じゃまず味わえないなぁ・・・。

天明の別れの大惨事のエピソードを下敷きに、絶海の孤島という環境や墓や遺跡や神社、道や建物の雰囲気をうまく使えば相当怖い物が作れるのではないかと思ったのですが誰か作りませんか?(-_-;)


でもって十一屋の前にある自動車工場でレンタカーを借りようと十一屋方面へと向かう事にする。氷は十一屋で相談する事にする。

十一屋に入ってオキアミと氷について相談したところ、オキアミは裏の冷凍庫にたくさんあるよ、氷はロックアイスくらいしか・・・との事。

持ってきたクーラーボックスが折りたたみ式の小型の銀マットでできたような奴だったので、ロックアイスで十分かと判断しオキアミとセットで購入する事にする。

でもそれ以前に車を借りないとどうにもならんので、車はどーすればいいのかとおばちゃんに聞くと、どうやら自動車工場の主が船で来た客を迎えに港に行っているらしく、それが帰ってくるまではどーにもならんとので待っててな との事。島らしく大変暢気な話である。

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で、20分程してレンタカー屋の親父さんが戻ってきたので、レンタカーを借りたいと伝えると、書類も何も書かず免許証をコピーして手続き完了。

・・・いろいろな意味アバウトさ炸裂である。

で、工場の駐車場の奥からいい感じに錆びた軽ワゴンを引っ張り出してきたのだが、全身に藁のような植物がべたーっと張り付いていてえらい事になっている。

何でも先週台風が接近した影響でこうなったとか。親父さんが工場の洗浄ホースで藁を吹っ飛ばしながら「今回は台風の直撃を食らわなかったからこの程度で済んだよはははは」と言っていたので「直撃を食らったらどうなるんですか」と聞いたところ「軽自動車程度なら吹き飛ばされるよはははは」と凄く軽ーい口調で恐ろしい事を仰られていた。

「じゃ、直撃が来そうな時はどーするんですか」と続けて質問したところ

「内輪山の中に全部退避させるんだよはははは、先週も島中の車が内輪山の中の駐車場に殆ど全部集められて、工事用車両から一箇所に並べられていたから壮観だったよー島で中古自動車屋を始められそうなくらいだったよ、わはははは

この島の島民のノリが何となく理解できてきた・・・

ちなみにここのレンタカーのシステムは短期滞在の釣り客向けのは5000円ポッキリ+ガソリン代だけ。日数では課金されなかった。どうせ数日しかいないんだろうし、日割りにすると貸した日を覚えておくのも計算するのも面倒くさいというのが理由ではないだろうか。全く商売っ気のカケラも感じない。

さて、車を借りたところで港方面に向かおうとした訳であるが、ここから青ヶ島の恐ろしさをたっぷりと味わう事になる

出発前に宿で貰った観光案内のパンフレットと地図でレンタカー屋の親父さんに、「今はこことここが崩落して通行止めだからこう回ってこう行くと港に行ける」と解説を受けて出発したのだが・・・まず、集落から外輪山の上をぐるーっと回り込んで平成流し坂トンネルというトンネルを抜けて内輪山方面に降りるのであるが、平成流し坂トンネルというのが岩窟王が掘ったようなどえらく狭くて真っ暗なトンネルで、おっかなびっくり通る。トンネルを出た瞬間に強烈な下り坂になっていて、まるで地の底に落ちていくような勢いで坂を駆け下りる

当然ブレーキをかけないと恐ろしい勢いで加速するので、かなり思いっきりブレーキを踏んだのだが、車が古いのもあって効きが今一よろしくない。何とか急加速は収まったが微妙に加速している状態に保つのがやっとという感じであり、このこの錆びまくった車のブレーキが逝ってしまわないかドキドキ物である。

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えーと えーと どうするどうする と頭の中で何度か復唱した後、「きつい下り坂はローギアに入れてエンジンブレーキをかければいい」と教習所で昔習った事を思い出してギアをローに入れてみる。

ギュイイイイイイイイイーーーーーーーーンとエンジンが凄まじい音を立てて高回転に切り替わってガクっと速度が落ちる、おおブレーキで速度コントロールができる!エンジンのピストンリングやクランクシャフトが逝かないか不安になるくらいの回転数だが、この際車より人命。ブレーキが利くようになったので何とか適正速度に落として一安心。

↓は翌日撮影した流し坂トンネルの映像。ローギアに入れた際のエンジンの悲鳴をお楽しみください。

[videopop vid=”1254089378″ vtitle=”平成流し坂トンネル”]

しかし、おっかねぇぇぇ 何だこの凶悪な地形は・・・しかも坂の勾配警告標識がなかったぞよそ者を殺す気か、この島は

つかこの車で帰りは登れるのか?坂の途中でエンストなんぞした日にはそのまま重力に引かれて高速バックして坂下のセメント工場に激突しそうなのだが・・・。その場合は車を捨てて脱出した方がいいのかなぁ・・・

さて、坂を下りてそのまま直進すれば港へ行けるとの説明だったので直進して行くと・・・

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おい・・・(-_-;)

ここも工事かよ・・・

で、仕方が無いので内輪山の内部を走り回る事になるのだが、ここが地獄だった。本当にここはヤバい

[videopop vid=”1254091148″ vtitle=”内輪山の内側を迷走中.flv”]

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何がヤバいかと言えば

・道しるべになるポイントが全く無い、標識や立看板はサウナの所以外一切なし

・外輪山に比べ風が弱いせいか木が高く茂っていて左右の視界がめっぽう悪い

・畑が点在しているせいか、地図に書いていない畑に入る脇道や分岐が山ほどある

・切り返しの難しいトラップのような袋小路が点在しており、迷い込むと脱出にどえらい苦労をする。

・似たような景色が延々続くので方向感覚も距離感覚も狂ってくる

・そもそも道が崩落していない状態なら、畑しかないこの辺りは地元民以外走り回る事は無い。

結果・・・・どうなったと言うと









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孔明の罠に嵌められた 雑魚武将のように 一時間以上内輪山の中をさ迷ってた。

散々さ迷った挙句、外輪山の斜面にトンネルがあるのが見えたので、そちらに向かって登ったら最初に通ってきた平成流し坂トンネルだったりと・・・本当によそ者に優しくない・・・というか「地図?道?DNAレベルでそんな物は脳内に仕込まれているのは当然だろ?」程度の感覚らしく、よそ者相手の配慮が全くされていない。

全くここは観光地でない事がよく分かった。

こうして、飽きるくらい走り回った末、何とか迂回路の通り方が分かってきたので、ようやく港に向かえる事に。

長くなったので港のレポートは次回に。